「Moku ニューラルネットワーク」は、テスト・計測デバイスへ統合された、唯一の FPGA ベースのソリューションです。
実験環境に合わせて、リアルタイムで強力な機械学習アルゴリズムを実行できます。
Pythonを使用してモデルを構築・学習し、Mokuデバイスへ展開。
低レイテンシの推論を実現し、変化する実験条件に迅速に対応します。
※Moku:Pro、Moku:Delta でのみ使用可能です。
概要
ニューラルネットワークとは? 従来のものと何が違うの?
ニューラルネットワークは、人間の脳に着想を得た機械学習の構造です。
ニューロンと呼ばれる相互接続されたユニットが、入力層、1つ以上の隠れ層(内部層)、そして出力層という層にグループ化されています。
ニューラルネットワークは通常、CPUとGPUの組み合わせで構築・実行されます。 このアプローチは驚異的な計算能力をもたらしますが、同時に多くのリソースを消費します。 大規模なAIモデルは大量の電力を消費し、 多くの種類の信号処理アプリケーションでは過剰な場合が多くあります。
FPGAの柔軟性とリアルタイム処理能力を備えた「Mokuニューラルネットワーク」は、小規模ニューラルネットワークの実装に最適な選択肢です。 FPGAの並列処理能力は、ネットワークを介した情報伝播に関わる線形代数やその他の複雑な数学計算に有効です。
Mokuニューラルネットワークのような完全接続モデルでは、各ニューロンに、 前の層のニューロンの値がその出力にどの程度影響を与えるかを示す一連の重みが与えられます。 これらの重みは「トレーニング」フェーズ中に調整され、 出力層の値が対応する入力の既知のセットと一致するようになります。 トレーニング後、モデルは「推論」に使用でき、過去に経験したことのある、 あるいは経験したことのないいくつかの入力から出力値のセットを推論することができます。
知識がなくても使える?モデルをトレーニングするには?
はい、Mokuデバイスでは、あらゆる研究者が利用できるように設計されており、誰でも簡単にニューラルネットワークを構築できます。
機械学習の知識があるユーザーは、Mokuニューラルネットワークを次のレベルに引き上げることができます。
以下のリンクから、モデルの構成方法、トレーニングデータの生成方法、モデルのトレーニング方法、 そして結果として得られた重みとバイアスを「 .linn モデル 」としてエクスポートし、 Mokuニューラルネットワークにアップロードする方法について説明しています。
特長
高速、簡単、スマートなデータ処理
信号が定義しづらい場合や、解析に膨大な後処理を要する場合でも、Mokuニューラルネットワークを用いることでインテリジェントなリアルタイム解析が可能です。
リアルタイムの閉ループフィードバックシステムを実装する
センサーデータ、アクチュエータの位置、その他の入力信号をMokuニューラルネットワークに取り込み、即座にアクションを出力できます。
コスト効率に優れた唯一のデバイス

W強力な FPGA 上に構築された Mokuニューラルネットワーク は、他の Moku の計測機能とインラインで展開できる柔軟かつ高性能な実装であり、コスト効率にも優れています。
機械学習をより身近に、効果的に

直感的なサンプル、迅速なトレーニング時間、リアルタイムでのネットワーク実行により、ラボへのニューラルネットワーク導入がこれまでになく容易になりました。
お使いのAPIとシームレスに連携

Python、MATLAB、LabVIEW APIに対応し、複雑な実験系や繰り返し作業をシンプルに自動化できます。
使用例
正弦波出力
入力チャネルの電圧に応じて、ニューラルネットワークが正弦波を生成する基本学習モデル。
信号識別
時系列入力を解析し、DC電圧信号の出力に基づいて、信号の波形を識別するモデルをトレーニング。
信号分類
ノイズを含む信号からパターンを識別し、リアルタイムデータ処理の精度と信頼性を向上。
オートエンコーダ
ノイズ除去、特徴抽出、データ圧縮、異常検知など幅広いタスクに有効。
量子エミッタ制御
量子エミッターの励起効率を高めるため、入射光モードとエミッターモードの重なりを最適化し、リアルタイム制御を高度化。
加重合計・加重和
入力チャネルの値を重み付きで合計し、任意のバイアスやオフセットを加えて出力。





