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高ダイナミクス・容易な統合性
3Dガルバノスキャナー
AXIALSCAN FIBER RD-30

最高レベルのダイナミクスと容易なシステム統合

AXIALSCAN FIBER RD-30 は、産業用生産環境での使用を想定した高集積型のプリフォーカス方式ビーム偏向ユニットです。レーザー溶接、切断、クリーニングといった用途において、防塵ハウジングと内蔵コリメーション光学系により、過酷な生産条件下でも理想的な偏向ユニットとして機能します。

本製品の特長は、ダイナミクスと生産性に重点を置いた設計です。RAYVOLUTION DRIVE 技術を採用した高ダイナミックな Z軸により、フォーカス位置を維持したまま XY スキャナの最大ダイナミクスを引き出すことができます。
これにより、バッテリーフォイルや燃料電池用バイポーラプレートなど、非常に薄い材料の加工に最適です。バイポーラプレートへのダメージを防ぎ、均一な切断結果を得るために重要となる、安定した貫通深さと均一なフォーカスを実現します。

最大 6 kW までの高出力レーザーに対応しているため、角形セルのバッテリーハウジングやセルコネクタの溶接にも適しています。
また、大きなプロセスフィールドにより、モーター本体や偏向ユニットを移動させることなく、電動モーターのヘアピン溶接を行うことも可能です。

製品詳細

生産現場に求められる信頼性とダイナミクス

最適化された防塵設計、軽量ミラー、そして革新的な RAYVOLUTION DRIVE 技術により、AXIALSCAN FIBER RD-30 は産業用生産環境において最大限のダイナミクスを発揮する理想的な組み合わせを提供します。

この生産性重視の設計思想は、さまざまな要素に反映されています。
例えば、スキャナーのデジタル電子回路により位置データの読み出しが容易に行え、同軸プロセス光やカメラポートからの測定データと簡単に統合できます。これにより、正確なプロセスモニタリングと制御が可能です

ハウジング設計もまた、生産性を重視しています。
取付けエリア全体で 100% のオーバーラップを実現する「Quadruple design」により、4台のレーザーで1つのワークを同時に加工することが可能となり、要求の厳しい生産ラインにおいても最短のサイクルタイムを実現します。

こうした要素の組み合わせこそが、AXIALSCAN FIBER RD-30 を生産用途に最適なソリューションにしています。
ぜひ、その性能をご確認ください。


特長

  • ファイバーアダプタ/コリメータ内蔵
    主要なファイバーレーザーに対応したファイバーアダプタおよびコリメータを一体化
  • デジタル制御対応
    RL3-100 または SL2-100 プロトコルによるデジタル制御が可能
  • 軽量・高耐力ミラー
    高出力レーザーに対応する軽量ミラー基板を採用
  • クアドラプル設計
    取付けフィールド全域で 100% のオーバーラップを実現する「Quadruple design」を採用
  • クイックチェンジ式保護ガラス
    2枚目の保護ガラスをクイックチェンジフレームで容易に交換可
  • 高ダイナミック Zフォーカシング
    RAYVOLUTION DRIVE 技術による高応答な Z軸フォーカシングを実現
  • 防塵ハウジング
    IP64 対応の防塵構造とクリーンルーム生産により高い信頼性を確保
  • オプション:トラッキングカメラポート
    RAYSPECTOR に対応したトラッキングカメラポートをオプションで用意
  • プロセス光出力内蔵
    色収差のないプロセス光出力を内蔵

    柔軟なプロセスフィールドサイズ
    用途に応じてプロセスフィールドサイズを柔軟に設定

機能と用途例

バッテリー製造におけるバスバー溶接

バスバー溶接は、eモビリティおよびバッテリー製造分野において最も難易度の高い溶接アプリケーションの一つです。
バッテリーセルの高さは最大 1 mm 程度ばらつくことがあり、さらにバッテリーパックの搬送システムによって追加の機械公差が生じる場合もあります。
一方で、薄いバッテリーハウジングのため、溶接は非常に狭いプロセスウィンドウ内で行う必要があります。これには高精度なプロセス制御が求められ、
システムインテグレーターにとって大きな課題となります。

AXIALSCAN FIBER RD-30 は、こうした課題に対する有効なソリューションを提供します。最大 1000 × 1000 mm2 の大きなプロセスフィールドにより、バッテリーやレーザーシステムを移動させることなく、バッテリーパック全体の加工が可能です。これにより、システム全体の構成を大幅に簡素化できます。

RAYVOLUTION DRIVE を採用した高ダイナミックな Z軸により、バッテリー間の高さ差を高速かつ高精度に補正し、高速スキャン時でもプロセスウィンドウ内でフォーカスの Z位置を安定して維持します。

さらに、色収差のないプロセス光出力と、RAYSPECTOR によるトラッキングカメラポートにより、正確なプロセスモニタリングと制御が可能です。

バスバー溶接に特化したソリューションとして、AXIALSCAN FIBER RD-30 は RAYLASE DISTANCE MEASURMENT SENSOR および RAYGUIDE MATCH ソフトウェアと組み合わせることで、BUSBAR WELDING MODULE を構成できます。

上写真:レーザー溶接されたバスバーでセルを接続したバッテリーモジュール
(提供:Laserax)

この拡張構成により、バッテリー製造における重要な工程であるバスバー溶接を全自動で行うことが可能となり、
最適化された高効率プロセスを通じて、増大するバッテリー需要への対応を支援します。


高速溶接と安定した Zフォーカス

AXIALSCAN シリーズのようなプリフォーカス方式ビーム偏向ユニットは、スキャンミラーの前方に配置された可動レンズによってレーザーを集光します。
XY 動作に合わせてレンズ位置を移動させ、焦点の Z位置を一定に保ちながら焦点距離を調整します。しかし、高ダイナミクス領域では、多くのフォーカスシフターが XY ミラーの動きに追従できず、入熱のばらつきや貫通深さの変動を引き起こす場合があります。

この課題を解決するため、プリフォーカス方式の利点を活かしつつ、XY 偏向ユニットのダイナミクスを最大限に引き出す RAYVOLUTION DRIVE(RD)技術 が開発されました。
本技術はムービングコイル原理に基づきレンズを駆動することで、高速なレンズ移動を実現します。これにより、高ダイナミクスな XY ミラー動作にも遅れなく追従し、フォーカスの Z位置を安定して維持します。

さらに、RAYVOLUTION DRIVE 専用の革新的なマウントにより、動的な動作下でもレンズを高精度にアライメントおよびガイドすることが可能です。
これによりレンズシステムの優れた結像性能が確保され、シングルモードファイバーレーザーやリングモードレーザーなどの特殊なビームシェーピングにおいても、ビーム品質への影響を最小限に抑えます。摩擦のないガイド機構は摩耗を大幅に低減し、RAYVOLUTION DRIVE 技術をほぼメンテナンスフリーとしています。

高いダイナミクスと産業環境における信頼性を兼ね備えた RAYVOLUTION DRIVE 技術は、AXIALSCAN FIBER RD-30 に最適です。
最大 1000 × 1000 mm2 のプロセスフィールド全域において、高速スキャン時でも最適なフラットフィールド補正を提供します。また、一定のフォーカス位置を維持したまま、ウォブリングやハッチングといった高ダイナミックなスキャン戦略にも対応します。

AXIALSCAN FIBER RD-30 は、高精度かつ高ダイナミクスが求められるアプリケーションに最適なソリューションです。

上図:RAYVOLUTION DRIVEは、標準的なZ軸とは異なり、XYミラーの動きに時間遅れなく追従し、空間内での同期動作を実現します。
石英ミラーを用いたビーム偏向ユニットに対しても、Z軸が遅延なくXY動作に追随するため、高い動特性を発揮します。高ダイナミクスな炭化ケイ素ミラー使用時に残るわずかな差も、SP-ICE-3 Control CardのTracking Error Compensation機能により補正可能です。


コリメーター保護を最適化するパーティクルトラップ内蔵

垂直ファイバー結合を採用した AXIALSCAN FIBER RD-30 システムには、パーティクルトラップを標準装備しています。また、既存システムへの後付けにも対応可能です。
この機械式保護機構はコリメーターに一体化されており、ファイバーを引き抜く前にビームパス内へ移動させることができます。これにより、粉塵や汚れ、摩耗粉が高感度なコリメーションレンズや内蔵の入射側保護ガラスに到達するのを防ぎます。

特にコリメーション前の領域はパワー密度が非常に高く、微細な粒子であっても吸収の増大や光学部品の損傷につながる可能性があります。
パーティクルトラップの使用により、こうしたリスクを効果的に低減できます。

本機構は外部から簡単に操作でき、内蔵マイクロスイッチにより、ドロワーが閉じた状態ではレーザーが起動しない安全設計となっています。
その結果、保護ガラスの長寿命化、メンテナンスコストおよび運用コストの低減、さらには過酷な生産環境下における高いシステム稼働率を実現します。

パーティクルトラップ内蔵仕様の RAYLASE QBH コリメーターは、垂直ファイバー結合を備えたすべての AXIALSCAN FIBER RD-30 システムに標準採用されています。


仕様

一般仕様

電源 電圧:+48 V
電流:4 A, RMS, 最大8 A
リップル/ノイズ:最大200 mVpp, @20 MHz帯域幅
周囲温度 +15 to +35 °C
保存温度 -10 to +60 °C
湿度 ≤ 80 % 結露なし
IPコード ※1 64
インターフェース信号:デジタル RL3-100-プロトコル 20ビット
SL2-100 プロトコル 20ビット
典型的な偏向(光学的) ± 0.393 rad
分解能 RL3-100/SL2-100 20ビット 0.76 µrad
繰り返し精度(RMS) 標準:< 2.0 µrad
HPS*:< 0.4 µrad
位置ノイズ(RMS) 標準:< 3.2 µrad
HPS*:< 1.0 µrad
温度ドリフト 最大 Gaindrift 標準:15 ppm/K
HPS*:8 ppm/K
温度ドリフト 最大 Offsetdrift ※2 標準:10 µrad/K
HPS*:15 µrad/K
水冷なしの長期ドリフト 8 時間 ※2 標準:< 60 µrad
HPS*:< 50 µrad
水冷ありの長期ドリフト 8 時間 ※2, 3 標準:< 40 µrad
HPS*:< 30 µrad
  • ※1
    When actively using cooling air (not with open cooling air connections if available)
  • ※2
    光学的な角度。軸あたりのドリフト、60 分のウォームアップ後、一定の周囲温度および処理応力で。
  • ※3
    60分の暖機後、工程負荷を変化させ、水温制御を2l/分以上に設定し、水温を22°Cにした。

* High Performance System


主要仕様 – AXIALSCAN FIBER RD-30

Laser fiber socket

QBH

Position of fiber socket

optional top (T) or rear (R)

重量

約 15 kg

Dimensions excluding fiber socket and electrical plug connections (L x W x H)

288.0 x 140.0 x 320.0 mm

  • ※1
    Optical sets optimized for maximum beam divergence. Other available collimator focal lengths on request.
  • ※2
    Measured with 2nd moment methode.

ガルバノユニット別 動的仕様

ガルバノユニット AXIALSCAN
FIBER RD-30
QU※3
AXIALSCAN
FIBER RD-30
SC※3
AXIALSCAN
FIBER RD-30
SC※3
AXIALSCAN
FIBER RD-30
HPS※4
チューニング VC※5 H※6 VC※5 H※6
処理速度 [rad/s] 50 30 65 30
位置決め速度 [rad/s] ※1 50 30 65 30
トラッキングエラー偏向ユニット [ms] 0.48 0.23 0.3 0.25
加速時間 [ms] 約 0.86 約 0.41 約 0.6 約 0.43
フルスケールの1%でのステップ応答時間 [ms] ※2 1.2 0.7 0.8 0.66
トラッキングエラーフォーカスユニット [ms] 0.9 0.9 0.9 0.9
移動レンズの速度 [mm/s] 900 900 900 900
  • ※1
    ❝速度の計算❞を参照してください。
  • ※2
    フルスケールの1/5,000に設定
  • ※3
    ミラー基板素材:QU = 石英 (溶融シリカ) SC = 炭化ケイ素
  • ※4
    HPS = High Performance System
  • ※5
    VC = ベクトルチューニング:処理速度を重視した幅広いアプリケーションへの最適チューニング
  • ※6
    H = ハッチングチューニング:ハッチング時における高精度なビーム偏向と、最速のビーム方向切替を実現する最適化チューニング

最高速度の計算

偏向角 ±0.393 rad(45°)において、角速度 1 rad/sは、作動フィールドサイズ 100 mmの場合にフィールド内速度 0.12 m/sに相当します。

例 :
AXIALSCAN FIBER RD-30 QU、作動フィールドサイズ 400 × 400 mm(フィールド係数=4)の場合、
位置決め速度 50 rad/sでは、次のフィールド内速度が得られます。

50 × 0.12 m/s × 4 = 24 m/s

注意 :
使用する制御カード、レーザージョブ、フィールドサイズ、および光学構成によっては、Z軸の影響により実際の速度が低下する場合があります。


空冷と水冷のオプション

AXIALSCAN FIBER RD-30 ガルバノユニットは、電子部品およびガルバノメータースキャナーの水冷(W)に対応しています。
空冷(A)は推奨構成であり、シリコンカーバイドミラー使用時は、レーザー出力 2 kW 超で必須となります。
石英ミラーの場合は、レーザー出力 3 kW 以上で空冷を推奨しています。

これにより、一定した動作条件と優れた長期安定性が確保され、高出力レーザーアプリケーションにおいても信頼性の高い運転が可能です。
なお、AXIALSCAN FIBER RD-30 は水冷なしでも運用できますが、その場合はドリフト量が増加する可能性があります。


保護ウィンドウのオプション

AXIALSCAN FIBER RD-30 には、外部保護ウィンドウをオプションで追加できます。
この保護ウィンドウはフラップ下に配置され、迅速に交換可能な構造です。

粉塵の多い過酷な環境においても、保護ウィンドウを短時間かつ容易に交換でき、清掃作業はすべて外部で完結します。
そのため、交換後すぐにシステムを再稼働させることが可能です。


空冷仕様

Compressed air ※1 Clean air free of water and oil
Flow rate SC: 0l/min up to 2 kW, 30l/min up to 4 kW, 45l/min up to 6 kW
Quarz: 0l/min up to 4 kW, 30 l/min up to 6 kW
  • ※1
    ISO 8573-1:2010 [1:4:0(0,005)]

冷却水仕様

冷却水 ※1 添加剤を含む清浄な水道水
水硬度 10 ppm 未満
ph 値 7~8.6
細菌数 1,000 cfu/ml 未満
推奨冷却水温度 22~28 °C
温度安定性 ± 1 K
偏向ユニット入口での最大水圧 3 bar 未満
最小水量/圧力損失 2 l/min/0.4 bar
チューブ外径 8 mm
  • ※1
    注意 : 脱イオン水を含む冷却水を使用する場合は、藻の繁殖防止およびアルミニウム部品の腐食防止のため、適切な添加剤を使用してください。

添加剤の推奨例(添加量については各添加剤メーカーにご相談ください):

  • 一般産業用途:NALCO 社製品(例:CCL105[Premix]、TRAC105A_B[Additive])
  • 食品・飲料、包装用途:Dow Chemical 社製ポリプロピレングリコール(例:DOWCAL N)

フィールドサイズ設定例 – AXIALSCAN RD-30

フィールドサイズ [mm x mm] 250 x 250 300 x 300 400 x 400 500 x 500 600 x 600 700 x 700 800 x 800
作動距離 [mm] ※1 256 318 442 566 689 813 937
Spot diameter 1/e2 [µm] 約 32 約 38 約 49 約 60 約 72 約 83 約 94
Free focus range [mm] 25 40 90 160 260 390 560
  • ※1
    From the bottom edge of deflection unit to the processing field.

光学系仕様

レーザー Fiber Laser infrared
1,060 nm – 1,080 nm
Fiber Laser infrared
1,060 nm – 1,090 nm
Mirror substrate / Wavelength [nm] QU 1,060 – 1,080 SC 1,060– 1,090 + AL
Max. laser power, cw [W] 6,000 6,000

QU = quartz, air cooling > 3,000 W laser power recommended, > 4 kW mandatory SC = silicon carbide, air cooling > 2,000 W laser power mandatory


プロセスモニタリング – AXIALSCAN FIBER RD-30

プロセス光 広帯域出力波長 [nm]

400~900 + 1,300~2,100

すべての AXIALSCAN FIBER RD-50 には、プロセス光放射用の防塵仕様光学出力部が標準装備されています。
レーザー波長よりも短い非常に短波長の光と、長波長の熱放射の双方を外部へ取り出すことが可能です。

これにより、位置検出用カメラ、溶接品質モニタリング用カメラ、パイロメーターなど、さまざまなセンサーを接続できます。

  • 製品仕様は改良などにより、予告なしに変更となる場合あります。
    メーカーHPにアップロードされている最新の仕様も併せて必ずご確認ください。

アプリケーション

レーザー溶接

AXIALSCAN FIBER RD-30 は、最大 6 kW の高出力レーザーに対応し、高速かつ安定したレーザー溶接を実現します。大きなプロセスフィールドにより、電動モーターのヘアピン溶接やバッテリーハウジング溶接を、ワークを移動させることなく行えま

レーザー切断

高ダイナミクスな XY スキャナーと Z軸フォーカシングにより、非常に薄い材料の精密切断に適しています。バッテリーフォイルや燃料電池用バイポーラプレートにおいて、均一で再現性の高い切断品質を提供します。

レーザークリーニング

防塵ハウジング(IP64)を備え、産業環境でのレーザークリーニング用途に対応します。 広いプロセスフィールドと柔軟な設定により、大面積の表面処理を効率的に行うことが可能です。


技術資料


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