Zurich Instruments社
ロックインアンプの基本コンセプト

いま なぜデジタルロックインなのか


Zurich Instruments 社ロックインアンプのコンセプトPDF271KB



  1. FPGA ベースのフルデジタルロックインアンプ

    ロックインアンプ原理解説 でも説明した通り、ロックインアンプは、測定対象信号に一定周波数の
    変調をかけ、その変調周波数で、復調することによ り、ノイズに埋もれた微弱信号を蘇らせるものです。
    英語では、Signal Recovery と呼ばれています。
    Zurich Instruments 社 ロックインアンプは、最新のデジタル信号処理技術により、
    高速・高精度のロックイン検出を実現しています。
    Fig.1.1 は、Zurich Instruments 社ロックインアンプの構成コンセプト図です。
    測定信号入力部(Signal Input)には、高速のアナログ - デジタルコンバータ (ADC)を配置し、
    測定信号をデジタル化します。
    デジタル化された測定信号は、装置に内蔵された高性能 FPGA により、デジタルロックイン処理が行われます。


  2. いま なぜデジタルロックインなのか? - デジタルロックインの利点と特長 -

    ロックイン測定に欠かせない、また最も重要な要素は、参照信号とローパス フィルタ(LPF)です。
    優れたロックイン検出には、優秀な 参照信号と、ローパスフィルタ(LPF)が必須です。
    この二つの要件を理想的に実現するのが、フルデジタルロックインアンプなのです。

    Zurich Instruments 社ロックインアンプでは、ロックイン検出にとって重要な 参照信号(Reference Signal)
    として、機器本体に内蔵された発振器(Oscillator)を使用します。
    FPGA によりデジタル生成された、高精度の正弦波は、デジタル - アナログコンバータ(DAC)及び
    高性能アンプにより所定の 出力レベルの正弦波として出力されます(Signal Output)。
    この出力信号を使用して測定信号に変調をかけることで、ロックイン測定を行います。
    外部の参照信号を使用する場合は、外部参照信号(External Reference Signal)を ADC を介してデジタル化し、
    内蔵されたフェーズロックループ(PLL)により、外部参照信号と周波数及び
    位相が整合した高精度デジタル正 弦波を生成し、これをロックイン検出の内部参照信号として使用します。
    従来のアナログロックインアンプと大きく異なる点は、ロックイン検出時に外部参照信号を
    そのまま使用するのではなく、デジタル正弦波を参照信号として使用する点です。
    これにより、歪みやノイズのない高精度正弦波を参照信号として使用することができ、
    ロックイン検出信号の SN 比が飛躍的に向上します。

    Fig. 1.1 Zurich Instruments 社 ロックインアンプ構成コンセプト
    Fig. 1.1 Zurich Instruments 社 ロックインアンプ構成コンセプト


    Fig. 1.2 は、(株) オプトサイエンス所有のファンクションジェネレータと、
    UHFLI ロックインアンプの内蔵発振器を使用した正弦波出力の、各々の周波 数安定性の比較です。
    オレンジは、ロックインアンプ内蔵発振器、グリーン はファンクションジェネレータ出力です。
    このように、内蔵発振器が優れた 周波数安定性と、周波数精度を持っていることがわかります。
    この参照信号の精度が、ロックイン検出にとっては重要です。
    ファンクションジェネレータをロックイン計測にご使用の際は、周波数安定 性や周波数分散に注意して
    機種を選定されることをお薦めします。

    Fig. 1.2 周波数安定性比較︓FG vs 内蔵 Osc @10MHz
    Fig. 1.2 周波数安定性比較︓FG vs 内蔵 Osc @10MHz


    ロックインアンプにとってもうひとつの重要な要素は、ローパスフィルタ( LPF)です。
    デジタルローパスフィルタは、デジタル式に多段化でき、最大 8次(8段の直列接続)のフィルタでは、
    48dB/oct という急峻なロールオフに より、ロックイン周波数の影響のない、
    高SN比のロックイン信号を得ることができます。
    (参考︓SN 比を高める LPF セッティングとロックイン周波数の関係

    Fig. 1.3 は、ローパスフィルタ次数によるロールオフの違いです。
    青は、8次のロールオフの例です。
    設定周波数の数倍の周波数で、既に十分な減衰が得られているのがわかります。

    Fig. 1.3 ローパスフィルタ次数によるロールオフの違い
    Fig. 1.3 ローパスフィルタ次数によるロールオフの違い


    このように、デジタルフィルタであれば、容易に高次のロールオフを実現することが可能です。
    アナログ回路では、LPF を 8 段分回路で実装し、それを切 替えてゆく必要があり、現実的ではありません。
    もちろん、そのような急峻なロールオフを必要としないアプリケーションで あれば、
    アナログ LPF でも十分な場合も数多くあります。
    用途や、目的に合った適切なロックイン周波数の選択と、LPF の設定がロックイン検出には重要です。
    お手持ちのロックインアンプの設定でお困りのことや、ご質問、ご相談などがございましたら、
    Zurich Instruments 社製、他社製を問いませんので、
    (株) オプトサイエンスに こちら から、お気軽にお問合せ下さい。


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