2017年第1 四半期号 ニュースレター

新しいオプションと機能

論説

論説

Zurich Instruments の2017年初のニュースレターにようこそ。
まず最初に、日本のZurich Instruments の主要連絡窓口である檜垣 哲(ひがき さとし)博士(オプトサイエンス社)をご紹介します。
まず年の初めに、完全統合画像生成に向けたグラフィカルなユーザインターフェースを特長とする LabOne 機器コントロールソフトウェア(LabOneバージョン16.12)が新たにリリースされ、ダウンロードできるようになりました。2つの新しいMFLI オプションもご利用いただけます。PLL 機能付きの4つのMFLI用PIDコントローラとAM/FM復調キット。さらにMFLIには、AFM チップ保護をサポートするThreshold ユニットが含まれています。

この新しい機能やオプションが最新AFMモードの一部を実現するためにどのように使用することができるか、以下の記事で要約しています。

また、南京工業大学の中国人科学者Gaojian Wu教授の初インタビューを特集し、教授の磁気電気効果の研究に迫ります。

最後に、当社のワークショップのスポンサーの応募についてご案内します。以下では、2017年度の第1回目のスポンサーの受賞者に関する記事をお読みいただけます。

今年、当社が出席予定の多数の展示会や会議で皆様と再度お会いできることを心待ちにしております。

日本のお客様の Zurich Instruments 連絡窓口

檜垣哲(ひがきさとし)博士

檜垣哲(ひがきさとし)博士:オプトサイエンス社の上級営業マネージャであり、Zurich Instrument 製品の代表を務めています。現在まで4年以上の間、日本の顧客に卓越した技術サポートを提供。工学博士の肩書きに加え、工業分野における経験による幅広い技術的な専門知識で当社の顧客を驚かせています。オプトサイエンス入社前には、レーザ工学や製造において10年以上の経験を積んでいます。電気工学、E ビーム、イオンビーム、レーザ、プラズマ診断における知識を喜んで皆様と共有してくれます。

オプトサイエンスは、日本国内に数ヶ所の事務所を構えており、短いフィードバックサイクルや専用サポートを提供しています。Zurich Instruments のすべての機器類は、オプトサイエンスから実演用の機器としてご利用いただけます。実演または現場試験測定の場合、Zurich Instruments のアプリケーション・サイエンティストが皆様の研究所にお伺することも可能です。実際に機器の性能を体験したり、役に立つ測定を収集することで、機器類の購入の検討にお役立てください。さらに合同測定によって他のソリューションとの比較に役立ちます。皆様の研究所での現場試験測定や実演の手配に関しては、檜垣 哲(ひがき さとし)までお問い合わせください。

今春、2017年3月14~17日の間に横浜で開催される第64回応用物理学会春季学術講演会(JSAP Spring Meeting)では、展示ホール B6、ブース番号 Jsp-8 で、当社の最新のロックインアンプ、インピーダンスアナライザ、任意波形生成器(AWG)をご用意しておりますので、ぜひお立ち寄りください。

MF ロックインアンプを使用して AFM 研究を向上

MF ロックインアンプを使用して AFM 研究を向上

現在の SPM 機器が限界に達していませんか?
当社の SPM/AFM 用デジタルフェーズロックループ(PLL)で皆様を最先端へと導きます。

当社のMFLI ロックインアンプに、外部 SPM コントローラと併用可能な4倍の PID(比例-積分-微分)オプションが加わりました。このオプションにより、現在中間周波数測定に使用しているアナログツールの限界を克服することができます。さらにこのオプションでは、以下の操作モードをサポートしています。

  • 最も一般的な NC-AFM モードすべて
  • 振幅変調と周波数変調 KPFM
  • デュアル変調モード(SNOM、THz-SNOM、ナノ IR、ラマン AFM など)

この完全なデジタル機器が、卓越したフィルタ特性、向上した線形性、特化したコントロール機能、AFM 操作に対するより優れた性能など、すべて提供します。LabOne PID アドバイザには、ユーザ定義された帯域幅で PLL や AGC を簡単に設定することができるモデル機能が備わっています。さらに自動調整機能により、残差フィードバックループエラーを最小限に抑えます。

AFM チップ保護

AFM チップの寿命を伸ばすため、この新しい MF Threshold ユニットが AGC や PLL データに基づいてストレスレベルを検出し、チップと表面の間の距離を自動的に増加する論理信号を出力します。チップを変更が面倒であり、時間がかかるため、測定中の AFM チップの損傷を防ぐことは、UHV アプリケーションにとって特に重要となります。

インターフェース

MFLI は、標準 BNC ケーブルを使用するアナログインターフェースによって、ほとんどの SPM コントローラに接続可能です。別の方法として、当社の機器コントロールソフトウェア「LabOne」を使用し、取得した AFM データをデジタル処理でコンピューターにストリーミングすることができます。グラフィカルなユーザインターフェースを通じて管理する数々のプログラミングインターフェース(MATLAB、LabVIEW、C、.NET、Python)を使用することができます。また、画像生成機能が内蔵されており、マウスをクリックするだけでスキャンデータをキャプチャしたり、画像生成処理を最適化するために実験設定を変更することができます。

Zurich Instruments の AFMサポート に関する詳細はこちらでご覧ください。

顧客インタビュー:南京工業大学教授 Gaojian Wu 氏

顧客インタビュー:南京工業大学教授 Gaojian Wu 氏

Gaojian Wu 教授は、中華人民共和国南京市210009、南京工業大学応用物理学部で凝縮系物理学を研究しています。

Gaojian Wu 教授、始めまして。南京工業大学ではどの学部に属していらっしゃいますか?教授の研究分野や方向性を教えてください。一番関心のあるテーマは何ですか?

現在、南京工業大学の物理・数学科学校で働いていており、私の主な研究分野は、凝縮系物理学です。数学における私のバックグラウンドが、磁気電気効果の周波数応答の研究につながりました。ここ最近では、磁気電気複合材料における自差係数の周波数応答を研究しています。将来的には、光学特性上の磁気変調の影響の研究に着手しようと考えています。

最新の出版物は何ですか?またその中で重要な部分は?

過去3年間で、4つの論文を発表しました。基本的には、そのすべてが磁気電気効果の周波数応答に関するものです。その中の「Enhanced converse magnetoelectric effect in cylindrical piezoelectric-magnetostrictive composites」(Eur. Phys.J. Appl.Phys. (2016) 76: 10602)は、逆磁気電気効果を強化する円柱構造の理論や実験的な研究に貢献するものです。

その他にも、2013年に Applied Physics Letters 誌で発表された直接共振と逆磁気電気効果の共振周波数の問題の研究に関する「Inequivalence of direct and converse magnetoelectric coupling at electromechanical resonance」という優れた記事があります。この論文では、直接共振と逆磁気電気効果を説明するという新しい方法を提案しています。この出版物は、研究団体に非常に受け入れられました。

教授の科学的実験で直面している課題はありますか?また、科学的な試験や測定機器に何を期待しますか?

最も重要な課題は、円筒型サンプルを準備する際の無電極めっき法の使用です。主な理由として、各個人が化学的な調製法に慣れていないこと、また再生するための実験準備パラメータがさらに困難なことがあげられます。試験機器に対する最も重要な基準は、高効率、ユーザにとって直感的であること、さらに使いやすさと便利なデータ収集です。さらに、後処理を簡単にするために、ソフトウエアによって便利な方法でデータが提供されることを望みます。その結果として、最先端の精密機器の恩恵が受けられるだけでなく、機器類の使用方法を習得する時間をかける必要がなくなります。研究やデータ解析にさらに注力することができます。

好きな旅行先はどこですか?

私が好きな旅行先は桂林です。桂林のまさに「悪魔のしわざ」のような自然の景観が非常に気に入っています。

何かスポーツをしていますか?

時々、夜ランニングをしますが、エクササイズと脳をリラックスさせることが主な理由です。ランニングしていると、時々新しい研究のアイデアがひらめくことがあります。

新製品1:4つのMFLI用PIDコントローラ

4つのMFLI用PIDコントローラ 4つのMFLI用PIDコントローラ

当社の500kHz / 5MHzロックアンプ、Zurich Instruments MFLI の新しいMF-PID オプションに、4つのインピーダンス PID(比例-積分-微分)コントローラが加わりました。これは、LabOne リリース16.12 の一部です。各コントローラは、多数の内部測定データやアナログ入力信号からの入力を処理するロックインアップにシームレスに統合されます。最大コントロールループ帯域幅は 50kHz です。

LabOne PID アドバイザが新しいコントロールループの設定を丁寧にサポートいたします。特定のアプリケーションに厳密に適合するよう調整が可能なモデルが揃っており、その中から選ぶことができます。ターゲット帯域幅を定義した後、PID アドバイザが対応する転送機能やパラメータのセットを提案し、対応する伝達関数やステップ応答をグラフィカルに表示します。

フィードバックループを実行すると、残差 PID エラーを最小限に抑えるために自動調整機能がパラメータを最適化します。また LabOne は、パラメトリックスイーパ、オシロスコープ、スペクトルアナライザを特長としています。これらのツールが、ループ性能を効果的に解析し、選択したモデルと比較します。フェーズロックループ(PLL)モードでは、起動時の信頼できるフィードバックや全般にわたる堅牢な操作をサポートする位相アンラップにより出力範囲を ±1024π まで拡張します。

新製品2:MFLI 用 AM / FM 変調

MFLI 用 AM / FM 変調

新しい MF-MOD AM/FM 変調により、500kHz / 5MHzロックインアンプ「Zurich Instruments MFLI」に最大3つの発振器周波数の位相同期した線形結合時の信号生成能力や解析能力が加わります。MF-MOD AM/FM 変調では、振幅変調(AM)や周波数変調(FM)を含む、さまざまな変調スキームで(高次)側波帯の直接測定を設定するため、LabOne 機器コントロールソフトウェアを使用します。タンデム復調などの2重復調スキームには、通常複数の機器が必要となります。当社のハードウェアでしたら、1台の機器で十分です。さらに、変調周波数は最大復調帯域幅による制限を受けません。すべての周波数コンポーネントは、調整可能なフィルタ設定や転送速度を用いて、個別にアクセスすることができます。

このオプションは、ケルビンプローブフォース顕微鏡、パルスレーザ実験、THz スペクトロスコピーといった1つ以上の周波数がかかわるすべてのアプリケーションに対し、非常に強力なツールとなります。

新機能1:リアルタイム状態検出用 MFLI Threshold ユニット

リアルタイム状態検出用 MFLI Threshold ユニット

新しい MF Threshold ユニットは、ハードウェアトリガを備えた状態検出用の初の機能ユニットで、中間周波ロックインアンプ内で作成できるよう論理演算に関連付けられています。

最大4つの測定とコントロール信号を同時に観察することができます。信号が事前定義されている範囲から離れた場合、または信号が調整可能なレベルにわたる場合、論理信号が生成されます。より複雑なパターンが必要な場合には、論理信号を組み合わせるために最大3つのブール演算を使用することができます。その結果、DIOポートやトリガ出力で利用できるようになります。

Threshold ユニットには、すべての MFLI ロックインアンプや MFIA インピーダンスアナライザが含まれています。MF-PID クアッド PID/PLL コントローラや MF-MD 復調オプションなどの別のオプションを追加することにより、この機能性が向上します。この機能には、AFM チップ保護やインピーダンス細胞分類といった多くのアプリケーションがあります。

新機能2:ユーザインターフェースが画像生成をサポートするようになりました

画像生成は、CARS、SRS、THz スペクトロスコピーなどのスキャンプローブ顕微鏡(SPM)法や非線形画像生成を行う当社のお客様にとって最も重要なアプリケーションの1つです。

画像生成モードが測定信号を画像に変換し、サポートします。

  • ライントリガにより検出される開始イベント、およびユーザ定義の期間に基づく「ライン」の明確な定義。
  • 適切な補間および(または)平均化を伴う必要な数の画素に対する、記録されたデータサンプルの再サンプリング。
  • 定義されたライン数に基づき、マトリックス状のデータをグリッドデータ構造の中に保存。

現在、これはすべてLabOne ソフトウェアトリガモジュールに実装されています。トリガの方法で複数のチャンネルにおいて持続可能な 800kSa/ 秒以上までストリーミングすることができる力を持つ(製品カテゴリにより異なる)LabOneサーバアーキテクチャは、画像取得能力において強さを発揮し、一様のビデオ速度(512*512画素/秒)は転送速度制限を大きく下回っています。

ヒント&コツ:小型コンデンサの特性とナイキスト線図の基本

スーパーキャパシタの測定

ティムのインピーダンスに関する最新のブログでは、3000 F のスーパーキャパシタについて考察しました。今回は、スケールの対極であるほんの100 pF のキャパシタについて考察しています。

MFIA インピーダンスアナライザを使用し、市販の SMD キャパシタ10台で等価直列抵抗(ESR)、誘電正接、位相を調査しました。このキャパシタは、最新の回路から見つけた通常のコンポーネントを代表する誘電範囲から選びました。10~5 という低い誘電正接、15mA の ESR、90度の1mdeg 内の位相を測定しました。詳細を読む

インピーダンスやアドミタンス複素平面における電気回路のスペクトル挙動の解析方法に関する詳細は、Mehdi の最新ブログで簡潔に紹介されていますのでご覧ください。またデータを取得し、対応するプロットを描画するMATLABコードも提供しています。


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