積層造形向け一体型プリフォーカス・ビーム偏向ユニット
AM-MODULE IIIは、積層造形用途に特化した一体型プリフォーカス・ビーム偏向ユニットです。
防塵構造のハウジングとコリメーション光学系を内蔵し、産業用生産環境での安定運用に適しています。
積層造形において重要なのは、高い生産効率と信頼性です。
部品あたりのコストを抑え、既存の製造方法と競争するためには、高速露光と装置の稼働率を両立させる必要があります。
AM-MODULE IIIは、こうした要求に応えるために設計されました。
ISOクラス7のクリーンルームで製造された防塵ハウジングにより、高出力レーザーの使用が可能です。さらに、内蔵ズーム機能により、画質を維持したままスポット径を動的に調整できます。微細構造は高分解能で、大面積は一定のパワー密度と走査速度を保ったまま効率的に露光できます。
高い信頼性と性能向上を両立したAM-MODULE IIIは、ラピッドプロトタイピングから本格的な積層造形生産への移行を力強く支援します。

製品詳細
産業用積層造形に最適化された設計
AM-MODULE IIIは、積層造形による量産を見据えて開発されたシステムです。
開発の基本思想は、高い信頼性とプロセス安全性にあります。精密に調整されたコリメーション光学系とスキャナー光学系を一体化することで、優れたビーム品質を持つレーザーの使用が可能です。さらに、ズーム機能により、スポット径を動的に拡大してもフォーカス形状を維持し、走査フィールド内のエネルギー密度の変動も補正できます。
生産性と信頼性を重視した設計思想は、細部にも反映されています。
デジタルスキャナーは位置データの読み出しに対応しており、同軸プロセス光やカメラポートからの測定データと容易に統合できます。これにより、精密なプロセス監視と制御が可能です。
また、ハウジングは生産性向上を意識した構造となっており、防塵設計とRAYVOLUTION DRIVE技術により、低メンテナンス運用を実現します。
さらに、スケーラブル設計により、複数のレーザーを1つの部品に同時照射することが可能で、要求の厳しい生産ラインでも最短のサイクルタイムを実現できます。
これらの特長を兼ね備えたAM-MODULE IIIは、産業用AM生産に最適なソリューションです。
特長
- 一般的なすべてのファイバーレーザーに対応する、ファイバーアダプターおよびコリメーター 一体型設計
- RL3-100プロトコルによるデジタル制御に対応
- 防塵構造(IP64)ハウジングを採用し、クリーンルームで製造
- ダイナミックズーム機能を内蔵
- RAYSPECTOR対応トラッキングカメラポートを装備可能(オプション)
- 色収差のないプロセス光出力を内蔵
- 隣接する造形フィールドを100%オーバーラップ可能な「スケーラブル設計」を採用
機能と用途例
ダイナミックズーム機能による生産性向上
AM-MODULE IIIの高ダイナミックなズーム機能により、用途に応じた最適な「ブラシサイズ」を選択できます。
積層造形では、収益性を高めるために、1レイヤーあたりの露光時間を可能な限り短縮することが重要です。
そのため、大面積を充填する際にはレーザーをデフォーカスし、1パスあたりの処理面積を拡大する手法が用いられます。これにより、ハッチ数を削減し、加工時間を短縮できます。
しかし、デフォーカスでは、強く押し付けたブラシのように、フォーカス位置から外れることでレーザースポット形状が不明瞭になります。特にトッパーハットやリングモードなどの特殊なビームプロファイルでは、わずかなデフォーカスでも本来のビーム形状が失われ、高速露光によるボーリングやスパッタ低減といった利点を活かせなくなります。そのため、デフォーカスによる面積充填には限界があります。

上図:ズーム機能とデフォーカスの比較
一方、AM-MODULE IIIのズーム機能では、最大2倍までフォーカス径を動的に調整しながら、拡大したスポット径でもビームプロファイルを乱すことなく、常にフォーカス状態での加工が可能です。これにより、リングモードやトッパーハットプロファイルによる高い露光速度と、大きなスポット径による時間短縮を効果的に両立できます。
AM-MODULE IIIは、積層造形において重要となる高いビルドレートを、装置上で確実に実現するための重要な要素となります。
RAYVOLUTION DRIVEによる高速露光
AM-MODULE IIIのようなプリフォーカス・ビーム偏向ユニットでは、スキャンミラー前方に配置された可動レンズと固定レンズの組み合わせによりレーザーを集光します。
焦点を一定のZ平面に保つため、レンズはXY動作に合わせて追従し、焦点距離が調整されます。しかし、高ダイナミクス条件では、多くのフォーカスシフターがXYミラーの動きに追随できず、粉末への入熱が不均一になる場合があります。
この課題を解決するために開発されたのが、RAYVOLUTION DRIVE(RD)技術です。
ムービングコイル原理に基づくレンズ駆動により、極めて高速なレンズ移動を実現し、ほぼ遅延なくXY偏向ユニットに追従します。これにより、常に安定したZ位置でのフォーカスを維持しながら、XY偏向ユニットの動特性を最大限に活用した高速露光が可能になります。
さらに、RAYVOLUTION DRIVEに採用された革新的なマウント構造により、動的な動作中でもレンズを高精度にアライメント・ガイドすることが可能です。これにより、レンズシステムの優れた結像性能を実現します。シングルモードファイバーレーザーや、リングモードなどの特殊なビームシェーピングにおいても、ビーム特性はほぼ乱されません。
また、摩擦のないガイド機構により摩耗が大幅に低減され、RAYVOLUTION DRIVE技術はほぼメンテナンスフリーでの運用が可能です。
高いダイナミクスと生産環境下での信頼性を兼ね備えたRAYVOLUTION DRIVE技術は、産業用積層造形のために設計されています。最大900 × 900 mm²の加工フィールド全体にわたり、高速走査時でも最適なフラットフィールド補正を確保します。
さらに、フォーカス位置を一定に保ったままのハッチングなど、高度に動的な走査ストラテジーにも対応します。これにより、AM-MODULE IIIは高精度かつ高ダイナミクスが求められるAM用途に最適なソリューションとなります。

上図:RAYVOLUTION DRIVEは、標準的なZ軸とは異なり、XYミラーの動きに時間遅れなく追従し、空間内での同期動作を実現します。
石英ミラーを用いたビーム偏向ユニットに対しても、Z軸が遅延なくXY動作に追随するため、高い動特性を発揮します。高ダイナミクスな炭化ケイ素ミラー使用時に残るわずかな差も、SP-ICE-3 Control CardのTracking Error Compensation機能により補正可能です。
技術資料
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