非球面シリンドリカルレンズは、入射光を一点ではなくライン状に集光する光学素子です。
asphericon社では、短納期で導入できるカタログ標準品と、形状、材料、寸法、表面精度、コーティングなどを用途に合わせて設計・製造する特注品を提供しています。
球面収差を抑えたラインフォーカスを形成できるため、レーザービームの整形、ライン照明、計測、分光、検査など、幅広い用途に使用できます。
非球面シリンドリカルレンズとは
非球面シリンドリカルレンズは、一方向だけに曲率を持つ非回転対称の光学レンズです。 一般的な球面レンズや非球面レンズが光を一点へ集光するのに対し、非球面シリンドリカルレンズは、一方向の光だけを集光してラインフォーカスを形成します。 集光方向の断面を非球面形状にすることで、一般的なシリンドリカルレンズよりも球面収差を抑え、細く均一なラインを形成できます。
非球面シリンドリカルレンズでできること
1.ライン状のビームを生成
平行光を非球面シリンドリカルレンズへ入射すると、一方向だけを集光し、ライン状のビームを生成できます。
レーザーラインの生成、ライン照明、スキャン、検査など、細長い照射領域が必要な光学系に使用されます。
2.一方向のビーム径を拡大・縮小
焦点距離の異なる2枚の非球面シリンドリカルレンズを組み合わせることで、一方向だけビーム径を拡大または縮小できます。
このシリンダーテレスコープ構成では、2枚のレンズの焦点距離によってビームの変換比率が決まります。円形ビームを楕円形にしたり、楕円率を調整したりする用途に使用できます。
3.非対称なレーザービームを補正
半導体レーザーから出射されるビームは、水平方向と垂直方向で広がり方が異なり、楕円形になることがあります。
2枚の非球面シリンドリカルレンズを直交させて配置することで、それぞれの方向を個別に調整し、非対称なビームを円形に近づけることができます。
非球面シリンドリカルレンズを使用するメリット
球面収差を抑えたラインフォーカス
非球面形状によって集光方向の収差を補正し、細く明瞭なラインフォーカスを形成できます。 ラインの幅や均一性が装置性能に影響する、レーザー加工、検査、計測などに適しています。
光学系の効率を向上
必要な方向だけに光を集光・拡大できるため、光を有効に利用しやすくなります。 照射領域やビーム形状を用途に合わせることで、不要な光の広がりを抑え、光学系の効率向上につながります。
光学部品数と重量を削減
非球面形状によって収差を補正できるため、複数の球面シリンドリカルレンズで構成していた光学系を簡略化できる場合があります。 部品点数、光学系の全長、重量の削減に加え、組み立てや調整工程の軽減も期待できます。
非球面シリンドリカルレンズの主な用途
レーザービーム整形
半導体レーザーの楕円形ビームの補正や、一方向のビーム径の拡大・縮小に使用されます。
レーザー加工、マーキング、スキャニングなど、ビーム形状の最適化が求められる用途に適しています。
ライン照明・画像検査
ライン状の照明を生成し、プリント基板、表面形状、異物などの検査に使用できます。
マシンビジョンやラインセンサーカメラと組み合わせることで、対象物を細長く均一に照明できます。
ライトシート蛍光顕微鏡
ベッセル状ビームは、ライトシート照明の生成にも使用されます。
深い焦点深度を利用して、広い範囲を比較的均一に照明できるため、生物試料の三次元観察などに応用されています。
計測・分光
計測装置、分光器、レーザースキャナーなどにおいて、スリットや検出器に合わせて光をライン状に集光できます。 光を必要な方向へ効率よく集めることで、測定感度や光利用効率の向上が期待できます。
選別・位置計測
鉄道レールなどの形状測定、樹脂材料の選別、製造ライン上の位置・高さ測定などにも使用されています。
asphericon社の非球面シリンドリカルレンズ
高精度な非球面加工
asphericon社は、独自に開発したCNC研削・研磨技術を用いて、非球面シリンドリカルレンズを製造しています。 カタログ標準品では、表面形状偏差RMSi 0.5 µm以下を実現し、球面収差を抑えたラインフォーカスを形成します。
カタログ標準品から特注品まで対応
カタログ標準品は、S-LAH64製、10 × 10 mmから50 × 50 mmまでの9サイズをラインアップしています。 特注品では、最大200 × 96 mmまでのサイズや、用途に合わせた材料、形状、精度、コーティングに対応します。試作から量産まで、開発段階に応じてご相談いただけます。
設計からコーティング、測定まで
非球面シリンドリカルレンズの製造に加え、光学設計、コーティング、全面干渉測定、マウントへの組み込みにも対応します。 レンズ単体の仕様だけでなく、必要なライン幅、ビーム形状、使用波長、装置への組み込み条件を含めて相談できます。
非球面シリンドリカルレンズの選定についてご相談ください
非球面シリンドリカルレンズを選定する際は、使用波長、入力ビーム径、必要なライン幅、焦点距離、ワーキングディスタンス、NA、レーザー出力などを考慮する必要があります。 楕円形ビームの補正では、入力ビームの長軸・短軸の径や広がり角も重要です。必要な仕様が決まっていない場合でも、生成したいラインやビーム形状、光学系の条件をお知らせください。 カタログ標準品または特注品から、用途に適した方法をご提案します。
