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Q1干渉フィルターの許容できる入射角(Angle of Incidence:AOI)はどのくらいですか?
AOIは干渉フィルターを購入する際に考慮すべき重要なパラメーターです。干渉コートでAOIを増加するとまずスペクトル性能が短い波長側へとシフトします。つまりAOI増加にともなってフィルターの中心波長が短い方へと移動します。一般的な干渉フィルターは10°までの傾きに対してはごくマイナーな変化しか示しません。しかし特殊な狭帯域フィルターやダイクロイックの透過エッジについては、ほんの少しのシフトでも大きな性能変化がおこります。傾きの性能への影響についてはご相談ください。
Q2ダイクロイックはS偏光とP偏光では反射/透過はどちらが良いですか?
簡単にいうと、S偏光では反射が良くP偏光では透過が良いです。この特長はダイクロイックの高い反射から透過へと遷移するエッジのところで最も顕著になります。
Q3なぜブロッキングの仕様は重要なのですか?
ほとんどの方は興味のあるシグナルがどこに存在するかは知っていますが、「ノイズ」の潜在的な原因については全く考えていません。この「ノイズ」はサンプルからの自家蛍光であったり、他の蛍光物質からのシグナルであったり、光源からのエネルギーである場合もあります。ブロッキングはこのような不必要なエネルギーを減衰し必要とするシグナルを通すフィルターの一機能です。不必要なシグナルをブロックするフィルターを使用することによりSN比とデータの信頼性が改善されます。
Q4シャープなエッジが必要なのですが3rdミレニアムフィルターは最適といえますか?
3rdミレニアムフィルターは非常に鋭いエッジをもちほとんどのアプリケーションでのニーズを満たすオメガオプティカルのALPHA技術を使用して製造されています。スタンダード3rdミレニアムフィルターは3%のスロープ係数を持つALPHAガンマエッジが使用されています。これによりフィルターのカットオン、カットオフエッジが値でピーク高50%からOD5まで到達します。50%ピークの高さは波長 x(0.03)です。3rdミレニアムフィルターはALPHAイプシロンエッジを使用することもできます。このフィルターは1%のエッジ係数を持ち、値でピーク高50%からOD5まで到達します。50%ピーク高はwavelength x(0.01)です。
Q5励起フィルターとエミッタは蛍光物質の吸収/発光カーブの両ピークを透過する必要がありますか?
必須というわけではありません。もちろん蛍光物質のスペクトルカーブのピークができるだけ多く含まれることがベストですが、他の限定された要因がありそれを妨げることもあるでしょう。蛍光ピークが著しくオーバーラップしたマルチラベルサンプルが1つの例です。この場合はエミッタを長波長側に動かすことで蛍光物質の発光ピークのシグナルの分離を改善することができます。
Q6フィルターのクリーニングはどのようにおこないますか?
ホコリやゴミはドライエアー(ピペットバルブからの吹出しなど)または圧縮エアー(缶入エアーは使わない)で十分クリーニングすることができます。フィルターに油分があり簡単に取り除くことができない場合は、アセトンかイソプロパノールを綿棒やレンズペーパーのような柔らかく糸くずのでない布材にしみこませて使ってください。
Q7フィルター側面の矢印は何を示していますか?
オメガオプティカルのフィルターは矢印が光パスの方向を示すようになっています。つまり矢印の根元が光源で先が検出器の方へ向うように設置します。
Q8エキサイタをエミッタとして使用できますか?またその逆は可能ですか?
一般的にはお勧めできませんがオメガオプティカルのQuantaMAX製品はエキサイタ、エミッタともに単一ガラス基板を使用し拡張ブロッキングが施されていますので、エキサイタをエミッタとして使用できます。またその逆も可能です。
注意:QuantaMAXフィルターはフィルターセットの一部として最適に機能するようにデザインされています。ある特定のフィルターをセットの規定範囲外で使用することは、容認可能な範囲の性能は得られますが最適の性能ではない場合があります。
Q9手持ちの顕微鏡ダイクロイックミラーを同じ色素を使うフローサイトメーターに使用できますか?
一般的には使用できません。フローサイトメーターは蛍光顕微鏡のダイクロイックミラーとは異なる仕様を持つダイクロイックミラーを使うように設計されています。フィルターセットの一部として販売されているダイクロイックミラーに適当な物が見当たらない場合はお問合せください。
Q10現在Cy5®のフィルターセットを使用しています。十分な色素を使っているはずなのにスクリーン上で画像が見えません。フィルターはきちんと機能していますか?
おそらくフィルターは機能していると考えられます。Cy5®は可視スペクトルの最長短(670nmがピーク)で発光するため顕微鏡の接眼レンズを通して観察することが難しく、通常検知にはB/W CCDカメラかPMTが必要となります。多くのCCDカメラはIRブロッキングフィルターが既にチップの前にマウントされていて650nm以上の光を減衰するようになっています。これはCy5®や類似した色素からのシグナルが検出器に到達する前にブロックしてしまいます。カメラのマニュアルを参考にしてこのフィルターを取り除くまたはスイッチオフできるかを検討してください。
Q11フィルターはどの程度まで薄くすることができますか?
反射が必要ない場合で1mmです(限定されますが0.5mmが可能な場合もあります)。フィルターのコーティングは基板の材質を「曲げて」しまうこともあり、基盤を薄くすればするほど曲がってしまう、つまり画像がゆがんでしまう可能性が高くなります。