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光ファイバー先端フィルターコーティング

研究プロジェクトとして始まったものが、いまではオメガオプティカル社の最も独自性の高い技術のひとつとなりました。
それは、光ファイバーの先端にスペクトル的に複雑なコーティングを施す技術で、広帯域反射防止(AR)コーティング、反射膜、各種フィルターが含まれます。
平面ガラス基板へのコーティングにも使用しているプラズマ支援反応性マグネトロンスパッタリング(PARMS)方式を用い、非常に耐久性が高く多用途に対応できるハードオキサイドコーティングをファイバー先端に形成しています。

お問合せ時に、下記の要求仕様をご連絡ください。

光ファイバー先端の要求仕様

光ファイバーの先端は非常に特殊な基板です。光ファイバーには多くの形状とサイズがあり、仕様も多岐にわたります。
そのため、お客様が求める仕様を正確に実現するために、コーティング対象となるファイバーはお客様ご自身でご用意いただくことを推奨します。
また、ファイバー先端のフィルター性能を正しく取扱い・設計するためには、詳細な情報が必要となります。

フェルールについて:

オメガオプティカル社は、FC/PCフェルールへのコーティングを推奨しています。
FC/APCフェルールへのコーティングも可能ですが、フィルター設計がやや複雑になる場合があります。
その他2.5mm径のコネクターやフェルールにも対応可能です。
SMAコネクター(3.2mmフェルール)や1.25mmフェルールにも、治具を変更することでコーティングが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

インターフェースについて:

フィルターはファイバーコネクターの内部に配置され、フィルターの両面が密着した状態になりますか?
それとも、片面が空気(または他の材料)に接する状態になりますか?

ファイバーの長さとジャケットについて:

オメガオプティカル社の治具にはサイズ制限があるため、1回のコーティング工程で処理できるファイバーの本数を算出するには、ファイバーの長さ、ジャケットの外径(OD)、およびファイバーの最小曲げ半径を把握する必要があります。

ファイバー内部のf値(f/#)とモード分布について:

ファイバーのコア径と使用する波長範囲によって、ファイバー内部で伝搬するモード数が決まり、ファイバー内のf値(f/#)や角度分布(入射角の広がり)にも影響します。
一般的に、マルチモードファイバーはシングルモードファイバーよりも広い角度分布(=低いf値)を持っています。
一方、シングルモードファイバーでは、出射光の入射角(AOI)はほぼ0°に近いため、より平行な光が出ます。

フィルター仕様について:

以下、各フィルタータイプに必要な仕様です。

  • バンドパスフィルター

中心波長(nm)、半値幅(nm)、最大透過率(%)、エッジスティープネス(nm)、ブロッキング(OD値, 波長範囲)

  • ロングパスフィルター

カットオン波長(nm)、透過率(%)、エッジスティープネス(nm)、ブロッキング(OD値, 波長範囲)

  • ショートパスフィルター

カットオフ波長(nm)、透過率(%)、エッジスティープネス(nm)、ブロッキング(OD値, 波長範囲)


スペクトル応答

左下図のシングルモードファイバー(コア径10umm)において、フィルターの応答特性は、入射角(AOI)=0°の理論モデルをよく再現しています。
一方、右下図のマルチモードファイバーのコーティングでは、応答が短波長側へシフトし、さらにスペクトル形状が歪んでいます。
このマルチモードファイバーのスペクトル応答は、0°から12°までの全ての入射角にわたって積分(平均化)されています。

シングルモードファイバー上のバンドパスフィルターのスペクトル応答(赤線)と、シミュレーション上の性能(青点線) および 平面ガラスモニタープレート上の応答(青線)の比較

同じバンドパスフィルターをマルチモードファイバーに適用した場合のスペクトル応答(赤線)
このとき、入射角(AOI)の分布は ±12°のすべての角度を含む


コーティングファイバー先端の種類

オメガオプティカル社は、最大で厚さ28ミクロンのハードオキサイドPARMSコーティングを、ファイバーの先端に施すことに成功しています。
以下にそのいくつかの例を示します。

1564nm狭帯域フィルターをシングルモードファイバーに適用した例

810nmロングパスフィルターをマルチモードファイバーに適用した例
入射角(AOI)の分布の影響により、スペクトルがわずかに短波長側にずれている(ブルーシフト)

同じ810 nmロングパスフィルターを光学濃度(OD)でプロットしたもの
ファイバーの片端にコーティングすると OD 3 が得られるが、両端にコーティングすることで OD 6 を実現でき、ラマン分光用途に使用できる

シングルモードファイバー上に形成した 1662 nmショートパスフィルター
平面ガラスモニターとファイバー先端のコーティング部の間で、波長にわずかながら再現性のあるずれが見られる


特殊コーティングファイバー先端およびファイバーバンドル

特殊反射コーティング — ファイバーレーザーなどの用途向けに、特定の波長で指定の反射率をもつリフレクターを求めるお客様からご要望を受けています。

パターン加工ファイバーチップ — オメガオプティカル社は、Nikira Labs社と共同で助成金プロジェクトに参画しており、中央のファイバーからレーザー光を照射し、周囲のファイバーで光を集光できるように、フォトリソグラフィ技術でパターン加工されたファイバーバンドルの開発を進めています。


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