分光光度計
Sphere Spectro 150H スフィアスペクトロ

  • 光が散乱してしまうサンプルの分光吸収係数と実効散乱係数も測定できる分光光度計
  • 紫外 / 可視光 / 赤外 測定波長帯ごとにバリエーション展開

概要

SphereSpectro 150Hは、光が散乱するサンプルの分光吸収係数と分光実効散乱係数を同時に弁別・定量化するユニークな分光光度計システムです(特許取得済)。紫外、可視、そして赤外スペクトル範囲用に3つのバージョンが用意されています。透明なサンプルの場合は、従来とおりの方式で測定できます。

特長

  • 吸収係数 µa と実効散乱係数 µs' の同時測定
  • 拡散サンプル(固体または液体)の測定
  • サンプルの準備が簡単
  • 測定時間を数秒に短縮
  • 紫外、可視光、 赤外での測定
  • 使いやすいソフトウェア付きのテーブルトップ分光光度計

基本的な測定原理により、分光吸収係数と実効的な分光散乱係数の両方のパラメーターを測定できます。この2つのパラメーターは、従来の測定装置では十分には測定できませんでした。スフィアスペクトロ 150H 分光光度計は「放射輸送理論」に基づいたソフトウェアのアルゴリズムにより、吸収係数と散乱係数を決定できます。

スフィアスペクトロ 150H 分光光度計のアプリケーション

  • 材料分析
  • バイオフォトニクス
  • 有効成分の決定
  • 品質保証
  • 計量化学
  • 食品分析
  • 薬品・化粧品
  • 物理パラメーター によるレンダリング

参考文献(英文)

光が散乱するサンプルの測定

散乱媒質中を光は透過しますが、散乱中心で伝搬方向が変わるため、異なる方向に広がります。たとえば粒子がある場合など、この散乱の中心領域は基本媒質とは異なる屈折率を持ちます。したがって、散乱媒質では光が照射された側から再び光が現れることがあります。いわゆる拡散反射です。さらに、光は媒質の境界層で(方向性)反射の形で反射することもあります。両方を合わせて全反射と呼んでいます。光の伝搬に比べて拡がりが小さいサンプルの場合、光は側面からも逃げます。全透過率は、サンプルを通過する光の割合を指し、コリメート透過率と拡散透過率の2つの成分で構成されます。コリメート透過率は、相互作用なしでサンプルを直接通過する光の割合です。つまり、散乱も吸収もされません。拡散透過率は、相互作用の後、つまり媒体内での散乱後に透過する光の割合です。

散乱媒体における光伝搬

散乱媒体における光伝搬

  • 光の入射
  • 拡散反射
  • 反射
  • 屈折
  • 吸収
  • 散乱角
  • 拡散透過
  • コリメート透過

積分球による光学特性の測定

散乱サンプルから出てくる光を積分球で測定し、測定値を理論値と比較すると、散乱サンプルの光学特性を決定できます。積分球は、サンプル層の全反射と透過を測定します。積分球は、主にサンプル表面全体の放射を積分します。波長ごとの 全反射と全透過の測定により、分光吸収係数と分光実効散乱係数の2つの量が決定されます。

この方法を可能な限り正確にするため、サンプルを含むセットアップ全体を考慮して、積分球内の光伝搬のシミュレーションをします。付属のソフトウェアにはこのシミュレーションのためのアルゴリズムが実装されています。サンプルの厚みや屈折率など、いくつかのパラメーターを入力した後、自動化された測定が始まります。これらのパラメーターの1つが不明な場合は、さまざまな厚さのサンプルを測定するなど、パラメーターを決定するさまざまな方法があります。評価は数秒から数分で行われます。

こちらの動画をご覧ください。

スフィアスペクトロ150H のキュベット

スフィアスペクトロ150H のキュベット
測定ポートに直接取り付け

サンプルチャンバ

サンプルチャンバ: 数種類のサンプルホルダがあります。
スペースが大きく、サンプルの設置に自由度があります。

測定例

測定例:坐薬に含まれるイブプロフェンとパルセタモール
それぞれの濃度の決定

ソフトウェア画面

ソフトウェア画面

仕様

一般

測定波長範囲 バージョン 1:可視光 (350 nm ~ 1050 nm)
バージョン 2:可視光~赤外 (350 nm ~ 2150 nm)
バージョン 3:紫外~可視光~赤外 (240 nm ~ 2150 nm)
測定時間 通常の測定時間は数秒以内
高分解能モードの測定時間は2分以内
寸法 790 mm x 409 mm x 494 mm
測定口径 25 mm
温度範囲 保管時:(-10 - 50) ℃
使用時:(10 - 30) ℃
※デバイスを高湿度にさらさないでください。範囲 20%~70% RH 結露なきこと。
インターフェース USB
重さ 42キロ

測定の不確かさ(一般値)

不確実性成分 µs' (実効散乱係数) の誤差 µa (吸収係数) の誤差
厚さ + 1 % 1% 1%
厚さ - 5 % -5% -5%
屈折率 + 0.01 -1.20% -2.20%
屈折率 - 0.06 7% 12%

技術資料

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