小型分光放射計 BTS256-LED

LED の光度測定の仕様は、一般照明や自動車照明などの用途において、非常に厳しい条件をクリアする必要があります。ところが LED の製造公差は、使用者が希望する公差よりも大きくなる可能性があるという大きな問題があります。光の強度と色による分類（ビニング）が LED の製造元から提供されますが、実際の動作条件が出荷時のテストの条件と異なっていれば意味がありません。そのため、LED を製品に組み込むユーザーには、光学特性を正確に、そして現場での使用条件に即して測定できるデバイスが必要です。

コンパクトな分光放射計

BTS256-LED を使用すると、LED の光束、スペクトル、色、および演色評価指数を簡単に測定できます。この測定器には円錐形状の入力ポートのアダプターが付属しています。オンボード の LED の測定ができるので、測定結果に熱影響も含められます。LED の光束、色、演色評価数、およびスペクトルは通常、すべて数秒以内に測定されます。したがって、このデバイスは、生産プロセスの品質管理や、入荷する LED の検査にも最適です。また、開発・設計部門でも非常に役立ちます。

BTS256-LED はコンパクトなアルミニウムハウジングで、光束、スペクトル、色、および演色評価数の正確な測定に必要なすべての機能を備えています。このデバイスは、V(λ) フィルター付き Si フォトダイオードと CMOS ダイオードアレイの分光器ユニットを組み合わせたセンサー( BiTec 光センサー)をベースにして最大限の精度と汎用性を実現します。Si フォトダイオードは、ダイナミックレンジ、直線性、およびスピードの点で有利です。CMOS ダイオードアレイの分光計は、色の評価のために発光スペクトルの正確な計測を保証します。２つの検出器が相互補正することで、より正確な測定が可能になります（BTS テクノロジに関する記事を参照してください）これにより、たとえば PWM 信号を正確に時間同期測定できます。そのほか BTS256-LED の先端機能としては、アレイの暗電流補正用のリモート制御シャッターや、測定サンプルによって吸収された光の補正（自己吸収補正）のためソフトウェアで制御される補助ランプがあります。デバイスの制御は、付属の S-BTS256 ソフトウェアを使用して、USB 2.0インターフェース経由で行われます。

校正

光計測デバイスにとって欠かせない品質は、正確でトレーサブルな校正です。BTS256-LED の校正は、ISO / IEC 17025 に準拠し、分光感度と分光放射照度についてドイツ認定評議会 （DAkkS DK-15047-01-00）の認定を受けたギガヘルツオプティックの校正ラボで実施されます。BTS256-LED には２つの校正が付きます。1つ目の校正は特別に開発された参照ランプを使います。この特製のランプによる 2pi 照明は、拡散発光 する LED の光束測定を保証します。２つ目の校正は、照明特性がより狭い光源用に実施されます。

BTS256-LED のオプション

• ユーザーが自分のソフトウェアにデバイスを統合できるようにするソフトウェア開発キット
• 他のコンポーネントを使用した BTS256-LED Plus Concept への拡張（照度と光度用）

単一LED の光束、スペクトル、色、および演色評価指数の測定用のBTS256-LED

• ①
  BTS256-LED ハウジング
• ②
  合成コーティング付き 50mm 積分球
• ③
  円錐測定ポート
• ④
  精密バヨネットマウント
• ⑤
  回路基板（テスト対象デバイス）のテスト LED
• ⑥
  リモート制御補助ランプ
• ⑦
  Si 付きBiTecセンサーフォトダイオード、CMOS ダイオードアレイ分光計、シャッター
• ⑧
  マイクロプロセッサ
• ⑨
  USB 2.0 インターフェース

円錐測定ポートはテスト LED の上に配置され、2pi 空間のすべての放射を検出します

スペクトルのグラフィカルビュー

モジュラーデスクトップセットアップを備えたS-BTS256 ユーザーソフトウェア

ビニングフィールドを含む CIE 1976 色度表

CRI バープロット