ラインレーザーのプロファイリングと解析

ラインレーザーの品質評価では、ライン全体の強度分布だけでなく、位置ずれ、ライン幅のばらつき、端部の回折、
ピーク強度の変化などを、長手方向にわたって確認する必要があります。

DataRayのラインレーザープロファイリングシステム(LLPS)は、長さ最大500 mm、ライン幅最小55 µmの
ラインレーザーを自動走査し、ライン全体を直接測定・解析するための専用システムです。

最大500 mmのラインレーザーを自動走査

LLPSでは、DataRayのビームプロファイリングカメラ「WinCamD-LCM」を、50 mm、200 mm、または500 mmの移動ステージに搭載します。

DataRayソフトウェアがカメラをラインレーザーの長手方向に沿って自動的に移動させ、各位置のビームデータを連続して取得します。

これにより、カメラの撮像範囲を超える長いラインレーザーでも、ライン全体の強度分布や形状を一つの測定結果として確認できます。

ラインレーザーのプロファイリングと解析 図1:200 mmのラインレーザーを測定するLLPS
ラインレーザーのうち、200 mmの範囲を測定しているラインレーザープロファイリングシステムのダイアログ画面です。
カメラを移動させながら各位置のデータを取得し、ライン全体の測定結果を生成します。

ライン全体の強度分布と形状を可視化

測定後は、ラインレーザー全体の強度分布画像が生成されます。
さらに、次のような解析結果を表示できます。

  • 垂直方向の重心位置
  • ライン幅
  • 各位置の積算強度
  • 各位置のピーク強度
  • ライン全体の強度変化
  • そのほかのビーム解析指標

ラインレーザーの明るさだけでなく、ラインが直線状に形成されているか、幅が一定に保たれているか、
局所的な強度低下や形状変化がないかを確認できます。

ラインレーザーのプロファイリングと解析 図2:両端を遮ったラインレーザー
ラインレーザーの両端を物理的に遮り、長さを28 mmに制限した状態です。
端部付近に見られる回折は、ラインレーザーを物理的に遮ったことによって生じています。この回折パターンは、DataRayソフトウェア上でも確認できます(図3)。

ラインレーザーのプロファイリングと解析 図3:端部回折による強度変化

図2で物理的に切り詰めたラインレーザーの端部回折に特有のパターンを、正規化積算強度プロット(Normalized Summed Intensity plot)で確認できます。
赤色のラインは各列の積算強度を、緑色のラインは各列のピーク強度を示しています。2つ目のプロットは、端部付近を拡大表示したものです。
ラインレーザーを遮った位置の近傍で、回折による周期的な強度変化が発生していることが分かります。

センサーのわずかな傾きをソフトウェアで補正

カメラセンサーが移動方向に対してわずかに傾いていると、測定結果上ではラインレーザーの位置が徐々に変化しているように見える場合があります。
LLPSには、センサーに残るわずかな傾きを補正する「センサー残留傾き補正(Residual Sensor Tilt Compensation)」機能が搭載されています。
この補正によって、カメラやステージのわずかな取り付け誤差による影響を抑え、ラインレーザー本来の位置や形状をより正確に評価できます。
多くのカメラでは傾きの影響が目立たない場合もありますが、必要に応じて補正機能を使用できます。

ラインレーザーのプロファイリングと解析 図4:センサー残留傾き補正の効果
上段のプロットは、センサー残留傾き補正を適用していない場合のY方向の重心位置を示しています。この例では、傾きの影響が比較的大きく現れる条件として、0.5度未満の傾きを持つセンサーを使用しています。
下段のプロットは、センサー残留傾き補正を適用した場合のY方向の重心位置です。補正によって、センサーの傾きに起因する見かけ上の位置変化が抑えられています。

PDFレポートの作成と生データの出力に対応

DataRayソフトウェアでは、測定結果を確認するだけでなく、注釈付きのPDFレポートを作成できます。
また、取得した生データをエクスポートできるため、品質管理記録の保存、製品間の比較、
外部ソフトウェアを使用した追加解析にも利用できます。

LLPSの主な測定・解析項目

LLPSでは、ラインレーザーの全長にわたり、次のような評価を行えます。

  • ライン全体の強度分布
  • ライン幅の均一性
  • ライン位置および重心位置の変化
  • ピーク強度のばらつき
  • 積算強度の変化
  • 端部回折や局所的な形状異常
  • センサーの傾きを補正した位置評価

ラインレーザー光源やライン生成光学系の開発、製造工程での調整、出荷検査、品質管理などに利用できます。

LLPSを選定する際の確認項目

システムを選定する際には、次の条件を確認する必要があります。

  • 測定するラインレーザーの全長
  • ライン幅
  • 使用波長
  • 必要な移動ステージの長さ
  • 測定したい強度範囲
  • 必要な位置分解能
  • PDFレポートや生データ出力の要否

測定対象に適した製品が分からない場合や、標準構成では対応できない測定条件がある場合は、オプトサイエンスまでお問い合わせください。

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