【基礎】ファイバーレーザーの原理とその優位性


1. ファイバーレーザーとは(クイックビュー)

Ybガラスファイバーを例として取り上げ、ファイバーレーザーを簡単に紹介します。

画像は、ダブルクラッドファイバーの屈折率分布とファイバーの構造を模式化した図です。

高出力ファイバーレーザーの希土類元素(例 : Yb, Er, Er:Yb, Tm, Nd など)をドープしたコアはマルチモードLDを用いてダブルクラッドファイバーを通して励起されます。

励起光はインナークラッド内に集光し、ファイバーの中を伝搬します。
コアにドープされる希土類元素を Ybとすると励起光に対するレーザー光の光 / 光変換効率は ~80%です。

ダブルクラッドファイバーの屈折率分布とファイバーの構造

ファイバーレーザーの構成を模式的に示すと次のようになります。

ファイバーレーザーの構成

励起用のLD光源としては単一エミッタ、バー、スタックが用いることができます。
LD光は単一のファイバーケーブルか励起光コンバイナをとおしてレーザー共振器内に導かれアクティブゲインファイバーを励起します。
FBG(Fiber Bragg Grating)がレーザー共振器の全反射ミラーや出力ミラーとなります。
ファイバーレーザーのデザインはモノリシック構造にできることであり、自由空間に光学素子がないことです。

ファイバーレーザーの構成を図のように考えると、ファイバーレーザーは異なった波長にはなりますが、LD光の「ビーム整形器」や「輝度変換器」と考えることができます。

ファイバーレーザーの構成


2. ファイバーレーザーの優位な点として、ビームパラメーター積(BPP)と焦点深度

レーザービームが何処まで狭く集光できるかとその焦点深度がビーム品質の関数となります。
ビーム品質は一般にビームパラメーター積(BPP)を使って定量化されます。
BPPはビームウェストの半径ω0とビームの発散角の半値全幅θの積として定義されます。

  BPP = ω0×θ = コンスタント

BPPは M²と波長を用いても定義できます。

  BPP = M²×λ/π (mm mrad)

また、重要な公式として与えられた集光スポットサイズに対して焦点深度DOFは、BPPを用いて記述できます。

  DOF = 2×ω02 / BPP

各種レーザーの BPPと焦点深度を表にしました。 ファイバーレーザーが、いかに優れているか一目瞭然です。

DOF (mm) at given focused spot size


3. ランプ励起 YAGレーザーを越えるファイバーレーザーの優位性

ファイバーレーザーがランプ励起 YAGレーザーを越える優位性を持つ点をご紹介します。

  • より良いビーム品質
    - ファイバーレーザーの M²~1 であるのにランプ励起では M²~50(出力 100Wでの比較)
    - 集光性が良い、小さな集光径
    - 焦点深度が深い(大きい)
  • 効率が 30倍良い
  • 熱の取り扱いが簡単-冷却の要求がより小さい
  • 専有面積が 1/10
  • 低い COO(Cost Of Ownership)-より長いMTBM
  • 寿命が長い
  • 信頼性が高い-より長いMTBF

4. LD励起 YAGレーザーを越えるファイバーレーザーの優位性

ファイバーレーザーが LD励起 YAGレーザー(DPSSL)を越える優位性を持つ点を紹介します。

  • より良いビーム品質
    - ファイバーレーザーの M²~1 であるのに LD励起では M²~20(出力 100Wでの比較)
    - 集光性が良い、小さな集光径
    - 焦点深度が深い(大きい)
  • 効率が5倍良い
  • 熱の取り扱いが簡単-冷却の要求がより小さい
  • 専有面積が 1/6
  • 低い COO(Cost Of Ownership)-より長いMTBM
  • 寿命が長い
  • 信頼性が高い-より長いMTBF
  • 装置導入費用が安い

5. ファイバーレーザーの優位性(まとめ)

ファイバーレーザーの優れた点について表にまとめると以下のようになります。

(著作:Dr.Andy Held / Coherent | NUFERN)

Coherent社ロゴ Coherent社(旧 NUFERN社)は、ファイバーレーザー用の各種希土類添加 DCファイバーから、高出力ファイバーレーザー出力導光用 DCファイバー、LD出力導光用 SM / MMファイバー を始め、可視 ・ 紫外光導光用の SM / MM / PM ファイバーを取り揃えています。

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