Coherent社(旧 NUFERN社)製ファイバーレーザー用光ファイバー(アクティブファイバー)とファイバーレーザーサブアセンブリについてご紹介したします。
Coherent社(旧 NUFERN社) では次のような優位性のあるファイバーレーザー用光ファイバー(アクティブファイバー)やファイバーサブアセンブリを製造しています。
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①Coherent社(旧 NUFERN社)はラージモードエリア(LMA)ファイバーの開発ではパイオニアです。
LMAファイバーは連続(CW)発振やパルス発振のファイバーレーザーの高出力化には欠かせないファイバーの技術です。 -
②信頼性の高い製造プロセス制御技術を用いて製造しています。
- ファイバーの製造はクリーン度クラス100の空間で行っています。
- 非常に清浄度の高い化学システムを用いて製造しています。 -
③最適なファイバー組成を得るために工業所有権のある液層添加物負荷技術を用いています。
- 非常に大きなコア内に高い濃度のランタニド系元素を添加する技術
- 低NAファイバーの安定製造技術
- 屈折率形状の正確な制御技術(ビーム品質に影響度が高い) -
④パンダ型偏波面保持(PM)ファイバーも製造しています。
- Coherent社(旧 NUFERN社)はコア径が大きく、クラッド径が小さな形状のPMファイバーを製造できます。
- 例としては コア径:30µmでグラッド径:250µmのPMファイバーがあります。
- このようなファイバーは直線偏光の高ピークパワーの光パルスを発生できます。
- SHG、THGなどの波長変換用光源としては最適です。
Coherent社(旧 NUFERN社)の優位性について概要をご説明しましたが、個々の点について実績を元に詳しくご紹介します。
優位性 (1) 製造プロセス制御技術
ここに示します3つの図はシングルモードファイバーでのテレコディア規格のテストデータです。
Coherent社(旧 NUFERN社) のファイバーは光学的にも形状精度でもまたファイバー引張り強度でも工業標準を常に上回っています。
最先端の製造設備と製造プロセス制御技術と組合わさり、コア径やモードフィールドを前例のない安定な数値を再現良く、継続的に得ています。
製造プロセス制御技術とクリーンルームでのファイバー製造により引張り強度で非常に優れた特性のファイバーを作っています。
クラッド径125µmのダブルクラッドファイバーにて偏波面保持と通常のファイバーを比較しても応力腐食ファクタ:ndの値は変化しません。
下図をご覧ください。 データは8角クラッド形状の非偏光ファイバーと偏波面保持ファイバーの円形クラッドを比較しています。
テレコディア規格ではnd値として約18であることが要求されます。
この値は長い年月に渡って使用するファイバーレーザー発振器や増幅器で大口径のファイバーをコイル状に巻く時に効いてきます。
Coherent社(旧 NUFERN社) のファイバーはnd値が22と大きく、非常に強いファイバーであることを示しています。
優位性 (2) 再現性の良い液層添加物ドーピング技術
Coherent社(旧 NUFERN社) が所有している工業所有権を使う液層添加物ドーピング技術がErとYb様な添加物をドープするファイバー製品に用いられています。
石英内の添加物の濃度と分散はクラスタ化しない様にまた高いスロープ効率が維持できる様に制御されています。
次に示す2つのグラフはErファイバーの吸収と輻射光のスペクトルと5つのプリフォームから作ったファイバーの間のスペクトルの差であり、その差は非常に小さいことが判ります。
ファイバーの製造ロット間のスペクトルの再現性は品質を保証するための多数の重要なテストの中の1つの指標です。
優位性 (3) 最先端
2,300万ドルの建設費を掛けた49,000平方フィートの施設は最先端の技術を導入しました。
スペシャルティーファイバーはテレコム用伝送ファイバーの標準に則って作られています。
画像は、ファイバーのプリフォーム製造設備とファイバー線引器です。
全ての石英は超高純度のガス供給装置を用いてMCVD法により石英の基材から社内で作られています。
ファイバーの長時間信頼性を得るためにファイバーを製造する全ての重要な製造工程はクリーンルーム内に設置されています。
品質保証や出荷前検査用の施設も完備しています。また高出力レーザーの試験室もあります。
優位性 (4) 大きなモード領域 (Large Mode Area:LMA) ファイバ
ファイバーレーザー用のアクティブファイバーと励起光間の長い相互作用長はファイバーレーザーの効率を高め、熱的安定度も増加します。
しかしながらファイバーが長いと高出力化にはいろんな課題が発生します。非線形現象が高出力ファイバーレーザーの特性を制限します。
その非線形現象とは誘導ラマン散乱(SRS)や誘導ブリルアン散乱(SBS)です。
これらを避けるための有効な解はモードフィールドを増加させることです。つまりファイバーのコア径を増加させます。
コア径の大きなファイバーを用いると長い小さなコア径のファイバーで得られるのと同等の利得が短いファイバーで得られます。
ファイバー内におけるシングルモード(LP01)の動作は、次式によって規定されています。
V = (π*d * NA/λ)
シングルモードファイバーにおいては V<2.404 です。
これからコア径を大きくし、コアの NA を注意しながら小さくするとシングルモード動作を維持できることが判ります。
LP01 モードでファイバーが曲げに対して損失が敏感にならない様にするには NA の最低限の値は NA~0.06 です。
このように小さな NA のファイバーを製造するにはファイバーやプリフォームの製造技術に対して要求される精度が高いレベルになります。
このようなファイバーを製造できる製造プロセス制御技術は COHERENT | NUFERN の施設の非常に優れていることを示しています。
優位性 (5) 出力パワーがスケーリングできるファイバレーザ
マルチモードファイバーを使用してシングルモード動作をさせるために高次のモードを抑制するためには種々の方法があります。
- ファイバーの屈折率や添加物濃度を操作する。
- ファイバーの終端をテーパ状にする。
- 種光のファイバーへの入れ方を工夫する。
その他、曲げ損失を誘起させるためにコイル形状に巻くのも1つの方法です。この方法は次のような特長があります。
- 簡単、効率が良い、信頼性がある、安価である。
- コアのNA値がコイルの直径を決めます。
Coherent社(旧 NUFERN社) はこの手法でファイバの設計とコイルの形状を最適化しています。
優位性 (6) LMAファイバにおけるモードフィルタリングより高いビーム品質
Coherent社(旧 NUFERN社) のLMAファイバーを用い、さらにモードフィルターリングによりシングルモードを得る手法をご紹介します。
左図にコア径30µmのファイバーをコイル化した時、種々の伝送モードにおけるの曲げ半径と曲げ損失の関係を示しています。
曲げ損失が高次のモードにおけるレーザー発振を効果的に除去します。
パルス発振やCW発振に対する多くの論文で取り扱われていますが、基本モードにおける損失は殆どありません。
LMAファイバーを使用している Coherent社(旧 NUFERN社) のファイバーレーザーモジュールはこの技術を用いて高品質な出力ビームを得ています。
右図にコア径25µmでNAが0.1のYbドープファイバーを用いたファイバー増幅器からの出力ビームのニアフィールド空間分布を示します。(増幅器には1064nmの種光を入射しています。)
ファイバーを延ばしたままでは約27個の導光モードが発生しましたが、コイル状に巻くことによりM²=1.08/-0.03の非常にきれいな空間分布の出力となります。
このことにより、ファイバー内で発生する非線形現象のSBS(誘導ブリルアン散乱)やSRS(誘導ラマン散乱)の発振閾値が増加します。
また シングルモードファイバーを用いて出力100Wという最大のシングルモード出力を得られる従来の限界を破ることができます。
下図に示します様にこの手法を用いることにより、2002年以降ファイバーレーザーの出力は飛躍的に増加致しました。
Coherent社(旧 NUFERN社)はM2 ~1で1kWを越える出力を発生できるLMAファイバーの開発においてはパイオニアです。
Coherent社(旧 NUFERN社) はM2~1で1kWを超える出力を発生できるLMAファイバーの開発においてはパイオニアです。
優位性 (7) 直線偏光発振器/増幅器用のPANDA型偏波面保持LMAファイバ
直線偏光出力のファイバーレーザー発振器/増幅器を作るには偏波面保持型のファイバーを用いる手法が有効です。ここではその偏波面保持型ファイバーについてご紹介します。
偏波面を保持するために必要な複屈折はストレスを発生させる構成物を使ってファイバー内に発生させます。
右図に3つの手法で作った偏波面保持型ファイバーの例を示します。
パンダ型ファイバー構成は他の手法より優れていることが証明されており、またCoherent社(旧 NUFERN社) のLMAファイバーの中でも特長のあるファイバーです。
高い均一性と一貫性は設計パラメーターの正確な製造プロセス制御から得られています。
偏波面保持ファイバーをコイル状に巻くことにより LMA ファイバーから直線偏光の レーザー出力が発生します。
偏光に選択的な損失を発生させる為に偏波面保持ファイバをコイル状に巻く技術の使用はCoherent社(旧 NUFERN社)特有の手法です。
偏光はファイバを通して持続できます。(しかもこの手法はコストが掛かりません。)
他の手法はファイバ外の空間に偏光素子を配置する等の手法で追加の予算も必要になります。
右図は、種々の半径のコイルを用いた場合のファイバ内を通過する光の偏光成文に対する損失を示しています。
この手法で作られたファイバレーザの出力特性を下の3つの図でご紹介します。
偏光度(PER:Polarization extinction ratio)は19dBあります。この手法は特許出願中です。
Coherent社(旧 NUFERN社) のファイバレーザ発振器/増幅器の構成
下図はファイバブラッググレーティング(FBG)を用いたファイバレーザの構成例です。
この構成は 最近ではCW200W以上、パルス発振では1.5mJ以上で利用できます。
1. Diode pump lasers 2. Pump Combiner (3:1) 3. Bragg Gratings 4. Coil of PM Yb doped double-clad fiber
5. Output termination
図では、1は励起用レーザーダイオード(LD)、2は3:1の励起光コンバイナ、3はファイバーブラッググレーティング(FBG)、4はYbドープDCFのアクティブファイバーであり直線偏光出力のファイバーレーザーの場合は偏波面保持ダブルクラッドファイバー(DCF)が用いられます。
5は出力端であり、通常はファイバー端面を空気中の塵などにより生ずる損傷から守るためにエンドキャップを融着します。
上記ファイバーレーザーの構成のバリエーションとして以下のような素子を用いることもできます。
- 増幅器として用いる時は、励起光コンバイナの1本のファイバーをフィードスルーのファイバーとし種光を導光する。
- 励起光増加させるために両方向励起も可能です。
- 7:1の励起光コンバイナや19:1の励起光コンバイナも使用できます。
優位性 (8) ファイバーの互換性
Coherent社(旧 NUFERN社)はレーザーゲインモジュールに用いる全てのファイバーを設計し、製造プロセスを制御し、そして生産しています。
最適化されたコイル形状の大きなモードエリアのダブルクラッドファイバー
(偏波面保持型、非偏波面保持型ファイバー)
適合性の良いフォトセンシティブファイバーがファイバーブラッググレーティング用として使用されます。
石英コアファイバで添加物の入っていないダブルクラッドファイバが励起光コンバイナに用いられます。
ファイバー端の保護や研磨したビームデリバリーファイバーにも用いられています。
全てのキー部品について性能確認試験をしています。
(著作:Dr.Andy Held/COHERENT | NUFERN )

