2016年第4 四半期号 ニュースレター

論説

論説

2016年最後のニュースレターにようこそ!
今四半期のお客様のための Zurich Instruments の最新のイノベーションのご案内、最近加わった当社のプレミアム・カスタマーケア・チームのご紹介、新しい教育メディアの発表をお知らせいたします。またロックオン検出の原則に関する白書や動画、お客様のエキサイティングなインタビューも合わせてご覧ください。また、私たち次回の科学ワークショップの助成金希望者の募集に関してのお知らせがあります。
今年販売が開始された2つの新製品、任意波形ジェネレータ(AWG)とインピーダンスアナライザは、両機器とも当社の既存のハードウェアと統合することができます。6月から販売が開始された Zurich Instruments UHF-AWG は、スコープ、デジタイザ、復調器、パルスカウンタを含め、信号解析を統合する世界初の本格的なAWGです。シンプルな言語から効果的なプログラム波形とシーケンスを実現する LabOne 波形シーケンサを搭載しています。当社のシーケンサは、素早いシーケンス分岐のために測定結果と複合波形出力を関連付けます。
以下の記事では、定義された周波数範囲に対する広域帯のリークフリーのスペクトル分析を達成するために、UHF-AWG とオシロスコープのを組み合わせた使用について説明しています。

8月には、ユニークな LabOne 信頼性インジケータと LabOne 補償アドバイザを用いて測定結果を検証する初のインピーダンスアナライザとプレシジョン LCR メータ、MFIA の販売を開始しました。
これらの機能は、サンプルからさらに精度の高い測定結果を導き出すのに役立ちます。また、過去の平衡ブリッジアプローチとは対照的に、当社が使用する直接計測技術により周波数や測定範囲が広がります。スーパーキャパシタの等価直列抵抗(ESR)測定に関しては、機器の雰囲気を感じていただくために、以下の記事をご覧ください。

当社では、最近ロックイン検出とロックインアンプの最先端の数学的な基礎を説明する白書を公開しました。今は読む時間がないですか?では Jelena Trbovic がロックインの基本的な内容を説明をしている新しいビデオをご覧ください。

次回の会議やワークショップのための資金提供先をお探しですか?
Zurich Instruments の2017年度科学ワークショップのスポンサーのお知らせをお見逃しなく。

当社では皆様のニーズを満たせるようアプリケーション科学者チームの強化に励みつつ、来年も皆様にさらなるイノベーションをもたらせることができることを願っています。Zurich Instruments は、すべてのお客様、友人、同僚の皆様の年末と2017年がエキサイティングな測定結果とともに素晴らしいものとなりますよう心から祈っております!

白書 & ビデオ:ロックイン検出の原理

白書:ロックイン検出の原理

ビデオ:ロックイン検出の原理

ロックインアンプの作動について設定を行う臨界パラメーターとは?
新しい機器を購入する際に考慮すべき重要な機能は?
最先端とは?
1930年代の発明以来、ロックイン検出は真空管から始まり、FPGA ベースのデジタル信号処理へと変化を遂げてきました。また過去2年程の間には、絶え間なく続く単一機器に実装されるツールや機能の範囲といった統合の増加により、さらに劇的な変化が見られています。最近当社では、ロックイン復調を実証する数値計算を含め、ロックイン復調への理解を深めるのに役立つ「ロックイン検出の原理と最先端」や Jelena Trbovic が出演する関連ビデオを公開しました。信号混合の時間周波数ドメイン、モデルとして Zurich Instruments UHFLI 600 MHz ロックインアンプを使用するローパスフィルタと最新イノベーションの2つに関して説明しています。

リークフリーFFTを使用する高速スペクトル分析

リークフリーFFTを使用する高速スペクトル分析

長周波数スイープ開始後のノーベル賞受賞前の噂をウェブでご覧になりましたか?次回、高速かつ高分解能の周波数応答測定の達成について最近掲載されている当社の最新ブログを代わりにお読みになることをご一考ください。以下の例では、今年の初めに販売を開始したによって可能となる UHF-AWG 任意波形ジェネレータ(AWG)カスタム信号生成と UHFLI ロックインアンプの高度な検出ツールの組み合わせによる利点を実証しています。

システムの周波数応答は、通常周波数をスイープし、各スペクトラル点の個別のロックイン測定を記録することによって測定されます。オーバーヘッド時間を劇的に低下する代替方法は、応答信号の高速フーリエ変換(FFT)の計算中に周期チャープ刺激を適用することにより、すべての周波数を稼動し、同時に測定する方法です。この方法により、機器のリングアップ、機器の通信、またはフィルタ設定などの段階的な測定を用い問題が解消されます。例えば、当社のシステムが高Q レゾネータの特性評価やレーザドップラー振動測定法で飛躍的に加速するところを見てきました。

デジタル機器を用いて FFT スペクトルの測定中、生成・取得された信号のサンプルの精密な同期化を用いてのみ不可避のスプリアス効果であるスペクトラルリークなし測定の達成が可能となります。LabOne の領域を横断したトリガにより、UHF-AWG と UHF-DIG Digitizer 間のこの同期化がもたらされます。AWG とデジタイザの両方のユニットでは、128 MSa の大容量を備えています。なぜならば、分解能なくして速度は意味を成さないからです!

高速スペクトル分析の詳しい実行方法については、ブルーノ・キュング(Bruno Küng)の最新ブログをご覧ください。

顧客インタビュー:マルコム・R・コノリー、ケンブリッジ

顧客インタビュー:マルコム・R・コノリー、ケンブリッジ

マルコム・コノリーは、ケンブリッジ大学の半導体物理学グループの若手の特別研究員です。

こんにちは、マルコムさん。ケンブリッジでの職務は何ですか?また団体の組織に求められるすべてのことに対処することは、若手の科学者にとって困難なことですか?

現在、自分は EPSRC の若手の特別研究員で、ケンブリッジのキャヴェンディッシュ研究所で自分の研究所を立ち上げています。特別研究員の資格は素晴らしく、独自に開発し、また少々リスクのあるアイデアを追求するために5年間が与えられています。確かに長期的に仕事に集中しながら、研究所を出入りしている間に適切なバランスを保つことと機運をつかむことは確かに巧妙さが必要と言えるでしょう。問題に対し異なるアプローチで作業を行う4人の学生を管理することは、気が張ることは確かですね!

現在の研究で集中していることは何ですか?

研究で集中しているのは、低温におけるグラフェンやトポロジカル絶縁体などの2D素材の量子力学的な振る舞いを理解し、量子ビットや単一電子ポンプなど量子機器においてその特性をどこで活用できるか調査することです。自分が行っている研究の大部分は、量子機器の視覚化や応用における開発方法の初期の対処のために低温走査型プローブ技術の使用にかかわっています。例えば、グラフェンのナノ構造で顕微鏡を使用する作業 [Phys. Rev. B 83, 115441 (2011)] は、量子計測学における現在の標準として、私たちを将来性のある単一電子ポンプの開発に導きました。

大局的にマルコムさんの研究はどのような分野に適していますか?

例えば、コンピューティングや検知といった幅広い用途において、重ね合わせや絡み合いなどの量子効果の使用が推し進められていますが、まだすべきことはたくさんあります。量子素材を用いて境界線を押し広げ、これを実際に可能であることを示す機器に変換することで、自分の研究により、将来の量子技術に新しくそして予想もつかない道や手段を切り開くことができるよう願っています。また、比較的簡素な半導体素子量子力学のベンチテスト/フリッジトップテストを開発することができるというアイデアも気に入っています。商業化に関しては、量子機器の製作中、個人向けのものにやや近い技術によるほぼいつも同じような問題に直面し、最終的には解決策を見つけることになります。そのため、私たちは最新の伝統的な技術で速度を保つ努力を続けています!

マルコムさんにとって重要な出版物はなんですか?またその理由は?

たぶん、グラフェンの単一電子ポンプの高周波数操作に関する自分の出版物 [Nature Nanotechnology 8, 417 (2013)] ですね。現在、興味深いポンプが数多くあります。それは将来のために、電子の基本的な充電の観点からアンペアの再定義へと導く現在の標準としてポンプが使用されているからでしょう。ガリウムヒ素やケイ素とは異なるグラフェンの帯域構造は、実際のところ単一電子の閉じ込めには向いていませんが、それにもかかわらずこの論文では、従来の金属性ポンプが達成するよりも、さらに高い周波数で動作することが示されました。

ご自分の研究所に Zurich Instruments UHFLI をお持ちですか?マルコムさんの仕事に向いていますか?

私たちは、短い時間規模で量子機器の操作や精査を可能にするため、かなり無線周波数エンジニアリングを行います。例えば、グラフェン量子と結合する RF タンク回路から反射する信号の復調では、単一電子のトンネル現象や緩和事象を測定することができません。そこで UHFLI が活躍します。600 MHz 入力帯域幅には私たちの典型的な RF タンク回路との互換性があり、5 MHz の復調器の帯域幅により、高速処理のモニタリングを可能にします。室温環境の中、新しい RF 回路で素早く基本的な試験が行えるところや低温で実際の実験を創造的に行えるところが気に入っています。例えば、機器の異なる部分を精査するために周波数の多重化や複数の復調器を使用したり、ボックスカーオプションを使用してパルス測定を行うことができます。

マルコムさん、ありがとうございます。最後の質問です。先ほど、マルコムさんのパートナーの方がイタリア人だとお伺いしましたが、お気に入りのイタリア料理は何ですか?

大好きなのはなんといってもピザですね。私が常に完璧なものを追求していることを彼女が証明してくれますよ。

最近の出版物 UHFLI 600 MHz ロックインアンプ

スーパーキャパシタの測定

スーパーキャパシタの測定

スーパーキャパシタの等価直列抵抗の正確な測定方法を知りたいと思ったことはありませんか?
その質問に喜んでお答えしましょう。最近発売されたMFIAインピーダンスアナライザの使用に関して、当社の最新のチームメンバー、Tim Ashworth が初めてのブログでスーパーキャパシタを特性化するためにロックインベースのインピーダンスがどのように使用されているかを説明してくれます。MFIA の直感的なスイーパ機能により、1 mHz~5 MHz までの周波数に依存するインピーダンス測定を可能にします。3000 F スーパーキャパシタの結果では、1 kHz で測定した際に ESR が約0.3 mOhm であることが示されました。ESR に加え、単一のインピーダンススイープからキャパシタンス誘電損失や位相に関する有益な情報を収集することができます。スーパーキャパシタの興味深い背景情報を含め、これらの測定に関する詳細はこちらをご覧ください。

プレミアム・カスタマーケアの拡大

当社では、品質を高め、アプリケーション科学者のチームの規模を広げることによって、お客様のためのプレミアム・カスタマーケアを強化しています。次回の会議で、以下で紹介している当社の新しい仲間、Tim AshworthとMehdi Alemに会うことができます。

Tim Ashworth 博士

Tim Ashworth 博士(tim.ashworth@zhinst.com)は、英国のマンチェスター大学で UHV SPM をテーマにナノスケール表面科学の分野で博士号を取得しました。その後Timは、自作のSPMから最良の結果を得るためにロックイン技術やPLL を使用し、ポスドクとしてバーゼル大学で働いていました。2008年にSPM 業界に移行した後、Tim は8年以上もの間世界中のアプリケーションサポートや科学事業開発に携わり、経験を積みました。Zurich Instruments でのSPM の専門知識という強みに加え、Tim はインピーダンスアナライザ範囲にフォーカスするアプリケーション科学者として当社に入社しました。

Mehdi Alem博士

Mehdi Alem 博士(mehdi.alem@zhinst.com)は、2016年5月にスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)で光通信学の博士号を取得しました。博士研究中、Mehdiは、分布型ファイバセンサにおける変調不安定性や四波混合などの光学非線形効果の理論モデリングや実験的測定に重点的に取り組んできました。博士課程を始める前には、イランのテヘランにあるシャリーフ大学の光学ネットワーク研究所で研究エンジニアとして6年間過ごしました。科学アプリケーションのお客様をサポートすることに加え、Mehdiは、Zurich Instrumentsで光学ベースのアプリケーションの専門知識を強化に努めます。


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