殺菌用UV放射計(照度計 / 線量計)
X1 & UV-3726

【測定対象】 UV-C LED(250~300nm), 水銀ランプ

紫外線(250~300nm)の、放射照度(mW/cm2)および線量(J/cm2)を測定

X1 & UV-3726放射計で、低圧水銀殺菌ランプ(254nm)と UV-C LEDの両方について、UV殺菌照射(UVGI)の効果を正確に測定できます。 さらに、この装置は不必要な紫外光ばく露がユーザーに安全性のリスクをもたらすかどうかを検出できるだけの感度も備えています。

UVGIは、UV-C光を使用してウイルスやバクテリアなどの微生物を DNAと RNAを変化させることで分解し、複製できないようにする滅菌方法です。 UV-C放射線の殺菌効果は、その線量(µJ/cm2)と波長に依存します。 線量は、放射照度(µW/cm2)と、ばく露時間を測定することによって決定されます。 殺菌効果は波長に依存し、約 265nmで最大になります。 つまり UV-C LEDの殺菌効果は、水銀ランプ(254nm)よりも大きくなることが期待できます。

X1 & UV-3726放射計は、1000mW/cm2までの広いダイナミックレンジを 0.001µW/cm2の分解能で、UV-C放射照度を測定します。 250nmから 300nmの範囲のスペクトル感度で校正されています。 5nm刻みの波長依存の校正係数が組み込まれており、既知の波長の UV LEDを測定します。 さらに、水銀ランプ用の 254nmキャリブレーションと、その他の波長の UV-C LED用に 260nm~290nmキャリブレーションも含まれています。

X1 & UV-3726は、化学線UVへの許容された職業ばく露限界(ICNIRP)に基づき、安全性の遵守と個人用保護具(PPE)の有効性をチェックするのに十分な感度があります。 放射照度レベルは、8時間の露光にわたって、254nmで 0.2µW/cm2未満、また 270nmでは 0.1µW/cm2未満であることが求められます。

ハンディ型の表示部は、放射照度または線量をリアルタイムで表示し、ピークホールド機能を備えています。 オプションのソフトウェアを使えば、この測定器を USBインターフェースを介して操作することもできます。

X1 & UV-3726 概要

紫外線殺菌照射(UVGI)は、UV-C 領域(100nm~400nm)の短波長光を使用して、ウイルス、細菌、酵母、真菌などの微生物を分解する滅菌方法です。殺菌効果は約 265nm の波長で最大になります。微生物の DNA と RNA は、UV-C 照射を吸収すると、その構造が変化して、微生物は自己複製ができなくなります。微生物は、十分な強度の UV-C 放射線に曝された場合、非常に短時間で破壊されます。

殺菌効果を確かめるために、紫外線量をチェックする必要があります。このためには、紫外光を照射する位置に検出器をおいて、紫外線の照射量を測定します。殺菌用の紫外線照射計測には、高強度から低強度までの紫外光を1台で測定できる大きなダイナミックレンジの放射計が必要です。

  • 高強度 UV 計測⇒必要な殺菌効果のチェックに
  • 低強度 UV 計測⇒紫外光に人体がさらされる可能性がある場合、低強度の紫外光が皮膚や目へ与える潜在的なリスク評価のために

UV-C LED および低圧水銀ランプ用の UV-3726 放射照度検出器

UV-3726 検出器には、短波長範囲でのみ感度があるフォトダイオードが組み込まれています。内蔵の光学フィルターと組み合わせて、指定されたスペクトル感度範囲の放射のみが測定されます。この組み合わせにより、UV-C LED(図2)と低圧水銀ランプ(図3)の放射測定が可能になります。一般的な UV LED 波長と低圧水銀ランプの測定で校正係数を変更することにより、測定精度が向上します。

放射照度を測定するために、検出器の入射口(コサイン FOV 付き拡散板)を測定したい面に向ける必要があります。拡散板、光学補正フィルター、およびフォトダイオードは、あらかじめ UV でエージングされているので、使い始めてからの UV 放射による変質の影響を削減します。UV-3726 検出器は、集中的に使用しても、経年変化の影響はほとんどありません。変更はすべて記録されるので、推奨される年一回の再校正で修正されます。

UV-3726 検出器のフォトダイオードは、数ピコアンペア(10-12 A)から数マイクロアンペア(10 -6 A)の範囲で、測定信号と放射照度の間の厳密なリニアリティがあります。ハンディ型の表示部X1(図1)に接続すると、0.001µW/cm2 の分解能で少なくとも 1000mW/cm2 までの線形測定範囲を提供します。

校正

絶対単位で信頼性の高い測定を行うには、国家計量研究所(NMI)規格へのトレーサビリティでの校正が必要です。1993年以来、ギガヘルツオプティック社の測定ラボは、PTB(ドイツ物理工学研究所)および DAkkS(ドイツ認定機関)により、スペクトル応答性と分光放射照度の測定に関する校正所として認定されています。すべての工場校正は、認定された校正研究所の校正標準と品質管理に密接に基づいています。したがって、同社の工場校正は、可能な限り最高レベルのトレーサビリティを提供し、長年にわたって世界中で受け入れられています。

個々の産業部門の要件に従って、測定ラボの一部は DAkkS により DIN EN ISO / IEC 17025 テストラボとして認定されています。ギガヘルツオプティック社はオプションで、工場証明書に加えて、UV-3726 と UV 放射計 X1 の DIN EN ISO / IEC 17025 テスト証明書を提供できます。

UV-3726 検出器は、そのスペクトル応答性について校正されています。表示計 X1 では測定時に、UV-LED または水銀ランプの公称波長を選択して、最高の精度を得ることができます。表示計 X1 にはいくつかの校正オプションがあります:

  • 260nm から 290nm のスペクトル範囲の UV LED を測定するための平均校正係数。
  • 低圧水銀ランプ(254nm)を測定するための特定の校正係数。
  • 公称波長が既知の UV LED を測定するために、波長に依存する 11 個の校正係数が 250~300nm の 5nm 刻みで提供されます。

ハンディ型表示計 X1-5

X1-5 は、UV-3726 検出器からの信号を計算し、測定された放射照度を絶対単位、mW/cm2 で表示します。内蔵の信号アンプは、検出器の広いダイナミックレンジをサポートするため、0.001µW/cm2 の分解能で最大 1000mW/cm2 の測定範囲を提供します。放射照度に加えて、線量は J/cm2 で表示することもできます。測定装置は「ピークホールド」表示機能を提供します。2つの単三電池を収納して、人間工学に基づいた表示計のハウジングは、モバイルでの使用を想定しています。オプションのソフトウェアを使えば、USB インターフェースを介して PC から測定器を操作することもできます。ソフトウェア開発キット(SDK)を使用すると、測定デバイスをユーザーのソフトウェアに統合できます。

センサーヘッド

図1:UV-C LED と低圧水銀ランプ用の UV 放射計、取り外し可能な検出器 UV-3726 とハンディ型の表示計 X1

図1:UV-C LED と低圧水銀ランプ用の UV 放射計、取り外し可能な検出器 UV-3726 とハンディ型の表示計 X1

図2:UV-3726 検出器のスペクトル応答性の一般値と殺菌用 UV LED のスペクトル 265nm, 275nm, 285nm との比較

図2:UV-3726 検出器のスペクトル応答性の一般値と殺菌用 UV LED のスペクトル 265nm, 275nm, 285nm との比較

図3:UV-3726 検出器のスペクトル応答性の一般値と殺菌用低圧水銀ランプのスペクトル 254nm との比較

図3:UV-3726 検出器のスペクトル応答性の一般値と殺菌用低圧水銀ランプのスペクトル 254nm との比較

良好なコサイン補正された入射光学系(一般値のデータ)

良好なコサイン補正された入射光学系(一般値のデータ)


特長

  • 着脱式の検出器を備えたモバイル測定器
  • 使いやすく、殺菌用の高い放射強度からリスク評価用の低い放射レベルまで広い測定範囲をカバー

仕様

全般 UV-C LEDおよび低圧水銀殺菌ランプ用のUV放射計

測定範囲

250 nm から 300 nm(UV LED用) および 254 nm(低圧水銀ランプ用)
線形測定範囲は 0.002 µW/cm2 から 1000 µW/cm2(X1-5と接続時)

主な用途

空気と表面の消毒のための紫外光殺菌照射(UVGI)

校正

250 から 300 nm まで 5 nm ステップでのスペクトル応答の校正
254 nm と平均スペクトル範囲 260 から 290 nm の追加の校正係数

測定ヘッド UV-3726

開口部

直径 11 mm ディフューザウィンドウ

ハウジング

直径 : 37 mm
高さ : 32 mm

入力光学系

コサイン FOV

マウント

M6 ネジ穴

温度範囲

(5~40)°C

表示計 X1 ピークホールド機能付きの放射照度 mW/cm2 および線量 J/cm2 を表示するためのハンドヘルドメーター

電源

単三電池 2本 ~ 250時間動作(バックライト付きディスプレイ OFF時)
USBインターフェースからの給電

インターフェース

USB V1.1(HIDデバイス)

温度範囲

動作時 : 5°C ~ 40°C
保管時 : -10°C ~ 50°C

表示

液晶グラフィックディスプレイ : 97 x 32 ピクセル
ディスプレイエリア : 14.3 x 35.8 mm
切り替え可能な LEDバックライト
テキストディスプレイ 各4行 14文字

フロントパネル制御

3ボタン, メニューシステム

外形寸法

145 x 63 x 30 mm(L x W x H)

重さ

150 g


注文情報

製品

15312096   UV-3726-5

UV-C検出器, 工場による校正証明書付き

15312065   X1-5

表示計, 2 x 1.5 V 単三電池, USBケーブル, マニュアル, 収納ケース
※ 2022年7月より収納ケースが付属品に追加されました。

15311968   KP-UV3726X1-E-I

校正オプション, DIN EN ISO/IEC 17025試験証明書(DAkkS認定), 254 nm 水銀ランプでの校正

再校正

15311689   K-UV3726-E-V01

検出器 UV-3726の再校正, 工場による校正証明書付き(ドイツの校正ラボにて実施)

15300671   K-X11-C

校正済みの電流源を使用し、表示計 X1-5の電流校正と調整, 工場による校正証明書付き(ドイツの校正ラボにて実施)

15311967   KKP-UV3726X1-E-I

検出器 UV-3726と、表示計 X1の再校正, DIN EN ISO/IEC 17025試験証明書(DAkkS認定),
254 nm 水銀ランプでの校正(ドイツの校正ラボにて実施)

ソフトウェア

15298167   S-X1

表示計 X1用のユーザーソフトウェア

15298071   S-SDK-X20

ソフトウェア開発キット


図面


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